エンジニアの年収は、職種や担当業務、経験年数、保有スキル、勤務先によって大きく異なります。
開発・品質管理に関わる職種と、上流工程を担う職種では、求められる専門性や責任の範囲が異なるためです。
本記事では、エンジニアの平均年収を職種別に比較し、年収に差が生まれる理由や高年収のエンジニアに共通する特徴を解説します。
需要の高い技術の習得や資格取得、上流工程への挑戦、転職など、年収を上げる方法も紹介します。ぜひ、今後のキャリアを考える際の参考にしてください。
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エンジニアの平均年収は約578万円
エンジニアの平均年収は、厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査をもとに計算すると、約578万円となります。
同調査におけるソフトウェア作成者の、企業規模10人以上を合計した給与データは以下のとおりです。
- きまって支給する現金給与額:月額390,800円
- 年間賞与その他特別給与額:1,095,100円
- 平均年齢:37.1歳
- 平均勤続年数:9.9年
月額の給与を12カ月分に換算し、年間賞与などを加えると、推計年収は5,784,700円となります。
390,800円×12カ月+1,095,100円=5,784,700円
ただし、この金額はソフトウェア作成者全体の平均値です。実際の年収は、年齢や勤続年数、勤務先の企業規模などによって異なります。
そのため、自分の年収が低いかどうかを判断する際は、全体の平均年収だけを見るのでは不十分です。自分と近い年齢や経験を持つエンジニアの年収も確認しましょう。
【職種別】エンジニアの平均年収を比較

システムエンジニアの平均年収
システムエンジニアの平均年収は、担当する分野によって5,785,000円から8,890,000円と幅があります。
分野ごとの平均年収は、以下のとおりです。
| 担当分野 | 平均年収 |
| 基盤システム | 8,890,000円 |
| 組込み、IoT | 5,785,000円 |
| Webサービス開発 | 5,785,000円 |
| 受託開発 | 5,785,000円 |
システムエンジニアは、システムの設計やプログラムの作成、テストなどを担当します。同じシステムエンジニアでも分野によって平均年収に差があるため、年収を比較するときは担当業務まで確認することが大切です。
参考:システムエンジニア(基盤システム) – 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
参考:システムエンジニア(組込み、IoT) – 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
参考:システムエンジニア(Webサービス開発) – 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
参考:システムエンジニア(受託開発) – 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
プログラマーの平均年収
プログラマーの平均年収は5,785,000円です。
プログラマーは、設計書や仕様書をもとに、実際に動くプログラムを作成します。システムエンジニアが考えた設計をシステムとして形にする役割を担うため、正確にコードを書く技術力が必要です。
ただし、実際の年収は使用するプログラミング言語や担当する開発分野、経験年数などによって異なります。
参考:プログラマー – 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
AIエンジニアの平均年収
AIエンジニアの平均年収は6,098,000円です。プログラマーの平均年収5,785,000円と比べると、313,000円高くなっています。
AIエンジニアは、機械学習やディープラーニングなどの技術を使い、AIを活用したシステムを開発することが主な役割です。大量のデータからパターンを学習する仕組みを構築するため、専門的な知識と技術が求められる職種でしょう。
参考:AIエンジニア – 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
データエンジニアの平均年収
データエンジニアの平均年収は6,098,000円です。
データエンジニアは、企業が保有する大量のデータを収集し、分析しやすい状態に整えるための環境を構築します。データを集める仕組みや、保管する場所の設計・構築などが主な仕事です。
AIエンジニアと平均年収は同じですが、実際の収入は担当範囲や扱うデータの規模、経験などによって変わります。
参考:データエンジニア – 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
データサイエンティストの平均年収
データサイエンティストの平均年収は6,119,000円です。
データサイエンティストは、企業に蓄積されたデータを分析します。予測モデルの作成やビジネス上の課題解決につながる提案が主な仕事です。
データを扱う技術だけでなく、分析結果をどのように業務へ活かすかを考える力も必要でしょう。データエンジニアの平均年収6,098,000円と比べると、21,000円高い水準となっています。
参考:データサイエンティスト – 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
セキュリティエンジニアの平均年収
セキュリティエンジニアの平均年収は6,098,000円です。
job tagでは、脆弱性診断とオペレーションの2つの職種に分かれていますが、いずれも6,098,000円となっています。
脆弱性診断は、システムやネットワークに弱点がないかを調べる役割です。オペレーションでは、サイバー攻撃の監視や、問題が発生した際の対応などを担当します。
※厚生労働省のjob tagにおけるセキュリティエキスパートのデータを参照
参考:セキュリティエキスパート(脆弱性診断) – 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
参考:セキュリティエキスパート(オペレーション) – 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
運用・管理(IT)の平均年収
運用・管理(IT)の平均年収は6,098,000円です。
運用・管理を担当するエンジニアは、稼働中のシステムが正常に動いているかを監視し、保守やメンテナンスを担当します。トラブルが起きた際には、状況を確認して初期対応にあたることもあるでしょう。
運用監視を中心とする仕事から、改善や設計を担当する仕事まで業務の幅があるため、実際の年収が異なる場合も多いです。
参考:運用・管理(IT) – 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
ヘルプデスク(IT)の平均年収
ヘルプデスク(IT)の平均年収は6,098,000円です。
ヘルプデスクは、パソコンやシステムの操作方法、ハードウェアの不具合などに関する問い合わせに対応します。利用者の困りごとを確認し、解決方法をわかりやすく案内する仕事です。
ただし、実際の年収は、対応する問い合わせの内容や求められる専門知識、経験などによって変わります。
参考:ヘルプデスク(IT) – 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
QAエンジニアの平均年収
QAエンジニアの年収の参考となるデバッグ作業の平均年収は、5,785,000円です。
QAエンジニアは、開発されたシステムやアプリケーションに不具合がないかを確認し、品質を保つ役割を担います。
決められた手順でテストをするだけでなく、どのような視点で確認すれば不具合を発見できるかを考える力も必要です。
※厚生労働省のjob tagにおけるデバッグ作業のデータを参照
参考:デバッグ作業 – 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
プロジェクトマネージャの平均年収
プロジェクトマネージャの平均年収は8,890,000円です。今回比較する職種のなかでも、高い水準といえるでしょう。
プロジェクトマネージャは、プロジェクト全体の計画を立て、予算や進捗、人員、品質、リスクなどを管理します。顧客との交渉も担当するため、技術知識だけでなく、管理能力や調整力も必要です。
幅広い責任を担う職種であり、システムエンジニアやプログラマーより平均年収が高くなっています。
参考:プロジェクトマネージャ(IT) – 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
ITコンサルタントの平均年収
ITコンサルタントの平均年収は8,890,000円となっています。プロジェクトマネージャや基盤システムを担当するシステムエンジニアと同じ水準です。
ITコンサルタントは、クライアント企業が抱える経営上や業務上の課題を整理し、ITを活用した解決策を提案します。技術的な知識に加えて、クライアントの事業を理解し、適切な施策を考える力も欠かせません。
今回比較した職種のなかでは平均年収が高く、担当する業務や責任の範囲も広い職種といえます。
参考:ITコンサルタント – 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
エンジニアの年収に差が生まれる理由

職種・担当する業務
エンジニアの年収は、職種や担当する業務によって大きく異なります。求められる専門性や責任の範囲が職種ごとに異なるためだといえるでしょう。
たとえば、プロジェクトマネージャは、プロジェクト全体の計画を立て、予算や進捗を管理しながら顧客との交渉も担当します。一方、運用・監視・保守では、稼働中システムの確認や、決められた手順に沿ったメンテナンスが中心です。
顧客の意思決定やプロジェクト全体に関わる仕事ほど責任が重くなり、年収も高くなる傾向があります。年収アップを目指す場合は、現在の職種だけでなく、今後担当したい業務の範囲も考えることが大切です。
経験年数・スキルレベル
エンジニアは、経験年数が増えてスキルレベルが高まるほど、年収も上がりやすくなります。
実務経験が0~2年程度の20代前半では、基礎知識や基本的なプログラミングスキルが主な評価対象です。一方、実務経験が6~10年程度となる30代では、システム全体の設計力や顧客対応、後輩の指導なども求められます。
年収を上げるには、経験年数に応じて担当できる業務を広げることが重要です。
<h3>企業規模・業界
勤務する企業の規模や業界も、エンジニアの年収に影響します。企業によって給与体系や昇給の仕組み、成果の評価方法が異なるためです。
日系のシステム開発会社や自社開発企業は、雇用が安定しやすく、育成の仕組みも整っています。一方、昇給のスピードは緩やかになりやすいでしょう。
外資系IT企業は、成果に応じて高年収を目指すことが可能です。一方で、期待される結果を出せない場合は、厳しい状況に直面する可能性もあります。
安定した環境で段階的に昇進したいのか、成果を出して大幅な年収アップを目指したいのかによって、適した企業は変わるでしょう。
プログラミング言語・技術
扱えるプログラミング言語や技術によっても、エンジニアの年収には差が生まれます。需要が高い一方で、扱える人が少ない技術ほど評価されやすいためです。
需要が高い技術の例には、以下があります。
- TypeScriptやGo、Pythonなどのプログラミング言語
- AWSやMicrosoft Azureなどのクラウド技術
- 情報セキュリティに関する専門技術
- 人工知能に関する専門技術
これらの技術は、自社サービスを開発する企業を中心に需要が高まっています。市場価値を高めるには、現在の業務で使う技術だけでなく、今後需要が見込まれる分野にも学習範囲を広げることが大切です。
雇用形態・働き方(正社員・フリーランス)
正社員とフリーランスでは、収入の仕組みや年収の水準が異なります。
フリーランスは会社に所属せず、案件ごとに契約して働きます。会社が受け取る利益の割合が少なくなる分、働いた分が収入に反映されやすいのが特徴です。一方で、福利厚生がなく、体調を崩して働けない期間には収入がなくなる可能性もあります。
年収だけで判断するのではなく、収入の安定性や福利厚生、仕事量を自分で管理する必要性も考慮して働き方を選びましょう。
年収が高いエンジニアに共通する特徴

需要の高い専門スキルを持っている
年収が高いエンジニアは、需要に対して扱える人材が少ない専門スキルを持っています。
クラウドや人工知能などの技術は、身につけるまでに時間がかかる一方、扱える人材が足りていません。そのため、専門的な技術を持つエンジニアは市場で評価されやすくなります。
高年収を目指すには、幅広い技術を浅く学ぶだけでなく、企業から求められている分野の専門性を高めることが重要です。
要件定義などの上流工程を経験している
要件定義や基本設計などの上流工程を経験しているエンジニアは、年収が高くなりやすいでしょう。
要件定義では、クライアントが求めているシステムの内容を聞き取り、開発の土台を作ります。プログラミングの技術だけでなく、相手の要望を正しく理解し、必要な機能を整理する力が必要です。
担当できる人が限られるため、上流工程の経験は評価につながりやすくなります。実装やテストを担当している場合は、設計や顧客との打ち合わせにも関わることで、業務の幅を広げられるでしょう。
マネジメントやコミュニケーション能力が高い
年収が高いエンジニアには、技術力だけでなく、チームをまとめる力や円滑にやり取りする力があります。
実際の業務では、プロジェクト全体の計画を立て、予算や進捗を管理しながら、クライアントとの交渉も担う立場です。プロジェクトを進めるには、メンバーへ適切に指示を出し、顧客や関係者との認識のすり合わせが欠かせません。
周囲を巻き込みながら仕事を進められるエンジニアは、責任のある役割を任されやすく、年収アップにもつながります。
企業の売上や課題解決に貢献できる
企業の売上向上や課題解決に貢献できるエンジニアは、高く評価されやすくなります。
指示された作業をこなすだけでなく、企業やクライアントが抱える課題を把握し、技術を使った解決策まで提案できるためです。
高年収を目指すには、技術を身につけるだけでなく、その技術を使ってどのような成果を出せるかまで考えましょう。
エンジニアが年収を上げる方法

需要の高い技術やプログラミング言語を学ぶ
エンジニアが年収を上げるには、市場で需要の高い技術やプログラミング言語を学びましょう。
TypeScriptやGo、Python3などのプログラミング言語は、多くの企業で活用されています。AWSやMicrosoft Azureなどのクラウド技術も需要が高い分野です。
また、情報セキュリティや人工知能に関する技術は、扱える人材が不足しています。現在の仕事や今後目指す職種に必要な技術を選び、実務で使えるレベルまで習得すれば、市場価値を高めやすくなるでしょう。
実務に役立つ資格を取得する
実務に関連する資格の取得も、年収アップにつながる可能性があります。ただし、資格を取得するだけで、自動的に年収が上がるわけではありません。
実務経験が浅い場合は、基本情報技術者試験を取得すると、ITの基礎知識や学習意欲を示すのに効果的です。経験を積んだ後は、応用情報技術者試験やAWSの認定資格が、設計やクラウド関連の仕事を担当するための後押しになります。
資格を選ぶときは、知名度だけで判断せず、現在の業務や今後目指したい職種に役立つかを確認しましょう。
上流工程やマネジメントを経験する
年収を大きく伸ばしたい場合は、上流工程やマネジメントの経験を積むことが重要です。
要件定義や基本設計では、クライアントの要望を整理し、システム開発の方針を決めます。実装だけでなく、システム全体を考える力や顧客対応力も必要です。
さらに、チームの進捗を管理したり、メンバーをまとめたりする経験があれば、プロジェクトマネージャなどの役割も目指せます。
現在の業務で上流工程を担当できない場合は、設計や顧客との打ち合わせに参加できないか上司へ相談してみましょう。
年収水準の高い企業へ転職する
現在の会社で大幅な昇給が難しい場合は、年収水準の高い企業への転職も選択肢です。
同じスキルや経験を持つエンジニアでも、企業の給与体系や業界によって年収は異なります。特に実務経験が2~3年に達した時期は、これまでの経験やスキルを転職先へ示しやすいです。
ただし、年収だけで転職先を選ぶと、求められる成果や働き方が合わない可能性があります。担当業務や評価制度、求められるスキルも確認したうえで判断しましょう。
副業やフリーランスとして収入を増やす
本業の昇給だけでなく、副業やフリーランスとして収入を増やすことも可能です。
副業では、本業の収入を維持しながら、収入を上乗せできる可能性があります。会社に所属せず案件ごとに働くフリーランスは、より高い年収を目指せる働き方でしょう。
一方、フリーランスは福利厚生を受けられず、案件を獲得できない期間には収入が減る可能性があります。まずは副業で仕事を受け、案件の進め方や収入の安定性を確認してから独立を検討するのもおすすめです。
エンジニアとして年収アップを目指すならキッカケエージェントへ
エンジニアとして年収アップを目指す場合は、自分の経験やスキルを整理し、市場での評価を把握することが大切です。
同じ経験を持っていても、応募する職種や企業によって評価は異なります。需要の高い技術を身につけるだけでなく、要件定義やマネジメント、顧客対応などの経験を適切に伝えましょう。
「自分の経験をどのように整理すればよいかわからない」という方は、転職エージェントを活用するのがおすすめです。
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未経験からでもエンジニアとして年収を上げられますか?
未経験からエンジニアになった場合でも、実務経験とスキルを積み重ねれば年収を上げられます。最初から高年収を目指すのではなく、まずは開発や構築を経験できる環境に入ることが重要です。
実務を通じて専門分野を深め、設計や顧客対応など担当できる業務を広げれば、少しずつ市場での評価を高められます。焦らず、段階的に経験を積みましょう。
エンジニアは資格を取ると年収が上がりますか?
資格を取得しただけで、必ず年収が上がるわけではありません。ただし、知識やスキルを示す材料となり、評価を高めるきっかけになります。
実務経験が浅い方が基本情報技術者試験を取得すれば、ITの基礎知識や学習意欲を伝えられるでしょう。中堅エンジニアであれば、応用情報技術者試験やAWSの認定資格が、設計やクラウド関連の業務を担当する際に有効です。
資格取得を年収アップにつなげるには、学んだ知識を実務で活用し、担当できる仕事を増やしましょう。
会社員とフリーランスではどちらの年収が高いですか?
高い技術や実務経験を持つエンジニアの場合は、フリーランスの方が年収を高めやすい傾向があります。
ただし、フリーランスは、働いた分が収入に反映されやすい一方、福利厚生がありません。案件を獲得できなければ収入が減るリスクも潜んでいます。
年収の高さだけで比較せず、安定性や福利厚生、営業や仕事量の管理も含めて、自分に合う働き方を選びましょう。
まとめ:エンジニアの年収は職種やスキルによって大きく異なる
エンジニアの年収は、職種や経験年数、扱う技術、勤務する企業、雇用形態によって大きく左右されるのが特徴です。
プロジェクトマネージャやITコンサルタントなど、責任の範囲が広い職種は年収が高い傾向があります。クラウドやAI、情報セキュリティなど、需要の高い専門技術を身につけることも市場価値を高める方法です。
年収を上げる方法は、資格取得や技術の学習だけではありません。要件定義などの上流工程やマネジメントを経験し、企業の課題解決に貢献できる力を身につける必要があります。
現在の企業で希望する年収を目指すことが難しい場合は、転職や副業、フリーランスも選択肢です。
「自分の経験をどのように整理すればよいかわからない」という方は、転職エージェントを活用する方法もあります。
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