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プロダクトマネージャー(PdM)とは?仕事内容から必須スキル・PMとの違いまで解説

プロダクトマネージャー(PdM)とは?仕事内容から必須スキル・PMとの違いまで解説

最終更新日:2025.12.05

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「コードを書くのは好きだけど、プロダクト全体の戦略にも関わりたい」
「プロダクトマネージャーに興味はあるけど、自分にできるか不安」

こうした思いを抱えている方は多いでしょう。エンジニアとして開発に携わる中で、もっと事業視点を持ちたい、ユーザーに届く価値を最大化したいと感じても、プロダクトマネージャーという職種の全体像が見えず悩んでしまう気持ちは誰しも抱くものです。

そこで今回は「プロダクトマネージャー」について詳しく解説します。「仕事の役割」から「仕事内容」「必須となる3つの専門領域」まで紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

プロダクトマネージャー(PdM)とは

プロダクトの事業責任者(ミニCEO)としての役割

プロダクトマネージャーは、プロダクトの成功に責任を持つ事業責任者です。ミニCEOとも呼ばれ、市場調査から戦略立案、開発の優先順位決定、リリース後の改善まで、プロダクトのライフサイクル全体を統括します

単に開発を管理するのではなく、「どんな価値をユーザーに届けるか」「どうやって事業を成長させるか」を考え、意思決定する立場です。

開発チーム、デザイナー、マーケティング、営業など多様なメンバーと協力しながら、プロダクトのビジョンを実現していきます。プロダクトの成長が会社の成長に直結するため、非常にやりがいのある職種といえるでしょう。

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関連職種との職務領域の比較

プロジェクトマネージャーとの主眼点の違い

項目プロダクトマネージャープロジェクトマネージャー
主な責任プロダクトの価値最大化プロジェクトの確実な実行
焦点何を作るかどう作るか
期間プロダクトのライフサイクル全体特定プロジェクトの期間
判断基準事業成果、ユーザー価値スケジュール、予算、品質

プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーは、名前が似ているため混同されがちですが、上の表のように役割は明確に異なります。

中でも最も大きな違いが、プロダクトマネージャーは長期的なプロダクト戦略を描き、プロジェクトマネージャーは短期的なプロジェクト実行を管理する点です。両者は補完関係にあるため、優れたプロダクト開発には必須の存在となっています。

プロダクト価値の最大化とプロジェクトの実行管理

プロダクトマネージャーの仕事は、ユーザーにとっての価値とビジネスにとっての価値を最大化することです。そのために市場調査やユーザーインタビューを通じて課題を発見し、戦略的判断をします。

一方、プロジェクトマネージャーは、決定された開発内容を期限内・予算内で確実に完成させるのが役割です。タスク管理やリソース配分などを通じて、プロジェクトを成功に導きます。

例えば、プロダクトマネージャーが「新規ユーザー獲得のため、SNS連携機能を優先的に開発する」と決定し、プロジェクトマネージャーがその機能を3ヶ月で確実にリリースする計画を立てるといった形です。両者の連携によって、価値あるプロダクトが計画通りに市場に届けられます。

プロダクトオーナーとの関係性

プロダクトオーナーは、プロダクトマネージャーと役割の範囲や定義の背景が異なる存在です。プロダクトオーナーはスクラム開発における役割定義、プロダクトマネージャーはより広範な事業責任を持つ存在と認識しておくとわかりやすいでしょう。

ただし、企業によってはプロダクトオーナーとプロダクトマネージャーが同一人物の場合もあります。転職時には、企業ごとの役割定義を確認しておくと良いでしょう。

スクラムにおける役割定義

スクラム開発フレームワークにおいて、プロダクトオーナーはプロダクトバックログの管理と優先順位付けをし、開発チームに対して「何を作るべきか」を伝える役割があります。

従来、スクラムチームはプロダクトオーナー・スクラムマスター・開発チームの3つの役割で構成されています。その中でも、プロダクトオーナーはステークホルダーの要望を集約し、ビジネス価値の高い順に開発項目を並べ、各スプリントで何を実現するかを決定する存在です。

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プロダクトマネージャーの仕事内容

プロダクトマネージャーの仕事内容

1.【探索・戦略】事業機会の探索と戦略立案

プロダクトマネージャーの重要な仕事の1つに、市場やユーザーのニーズを調査し、事業機会を発見するものがあります。競合分析やユーザーインタビュー、データ分析などを通じて、プロダクトのビジョンと戦略を策定する仕事です

例えば、「中小企業向けの在庫管理SaaSで、導入コストを従来の半分に抑え、シェア30%を目指す」といった具体的な目標を設定すると、その戦略がプロダクト開発の羅針盤となり、チーム全体の判断基準になります。

2.【開発・リリース】開発要件の定義と優先順位付け

戦略が固まったら、次に具体的な開発要件を定義し、優先順位を決めていきます。限られたリソースの中で最大の成果を出すため、どの機能から作るべきかを判断するフェーズです。ユーザー価値や技術的実現可能性、ビジネスインパクトのバランスを考慮した意思決定が求められます

この際、開発チームと密に連携しながら、技術的な制約も考慮して現実的なロードマップを作成します。開発チームが迷わず実装できる状態を整えるのも重要な役割です。

3.【改善・成長】データに基づく製品改善と次期施策の策定

プロダクトをリリースした後は、ユーザーの利用データや行動分析、フィードバックを収集し、プロダクトの改善点を発見していきます。KPIをモニタリングし、目標達成状況を常に把握するのもプロダクトマネージャーの仕事の1です。

例えば、ユーザーの離脱率が高い画面があれば、その原因を調査してUI改善やチュートリアル追加を検討します。データに基づく意思決定を繰り返していき、プロダクトを継続的に成長させていく施策を策定していきます。

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プロダクトマネージャーに必須となる3つの専門領域

プロダクトマネージャーに必須となる3つの専門領域

事業・市場に対する深い理解

プロダクトマネージャーには、自社の事業モデルや収益構造、市場動向を深く理解する力が求められます。競合他社の動きや業界のトレンドを把握し、自社プロダクトがどのポジションで戦うべきかを判断しなくてはいけないためです。

例えば、SaaS事業であれば、MRRやチャーンレート、LTVといった指標の意味を理解し、それらを改善する施策を考えます。3C分析などを活用しながら、戦略的な判断を下します。事業への関心を持ち、常に学び続ける姿勢を求められるでしょう

ユーザー体験(UX)に関する知見

プロダクトマネージャーには、ユーザー体験に関する知見も求められます。優れたプロダクトを作るには、ユーザーが何を求めているか、どんな体験を提供すべきかを深く理解する必要があるためです。ユーザーインタビューやアンケート、行動データの分析を通じて、ユーザーの本質的なニーズや課題を発見していかなくてはいけません。

例えば、「この機能は便利そうだが、初心者には難しすぎないか」といった視点で、仕様を検討するイメージです。デザイナーと協力しながら、ユーザーの声にも耳を傾け、共感する力が必要になるでしょう。

技術的実現可能性を判断するための知識

プロダクトマネージャーには、技術的な実現可能性を判断できる程度の知識も求められます。全てのコードを書ける必要はありませんが、開発チームとの会話で技術的な制約を理解し、現実的なロードマップを描くためにも、基本的な技術理解は必須です

こうした点から、エンジニア出身のプロダクトマネージャーは、大きなアドバンテージを持ちます。2~3年程度の開発経験があると技術的な実現可能性を正確に見積もれるため、開発チームとの信頼関係も築きやすいでしょう。

ですが、ここまで読んで「自分にはスキルを身に付けられないかも」と思った方も多いかと思います。そんな方は、ぜひキッカケエージェントにご相談ください。

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エンジニア・PjM経験の活用法と貢献領域

エンジニア・PjM経験の活用法と貢献領域

共通の強み

エンジニアやプロジェクトマネージャーとしての経験は、プロダクトマネージャーへ転職する際に共通の強みとして活かせます。開発プロセスへの深い理解があるため、実現可能性を踏まえた戦略立案ができるでしょう

例えば、開発の各フェーズで何が起こるか、どこでボトルネックが発生しやすいかを肌感覚で理解しているため、非現実的な計画を立てるリスクが低くなります。開発チームとの共通言語を持っているのもあり、コミュニケーションも円滑です。技術的な議論にも参加でき、エンジニアからの信頼も得やすいでしょう。

開発プロセスの理解に基づく、実現可能なロードマップ策定能力

エンジニアやプロジェクトマネージャー経験者は、開発の工数感覚や技術的制約を理解しているため、実現可能性の高いロードマップを策定できます。理想だけを追い求めた非現実的な計画ではなく、技術的な裏付けのある計画を立てられるでしょう。

例えば新機能の開発を提案する際、既存システムとの統合の難しさやテスト工数、リファクタリングの必要性なども考慮できます。開発チームからも共感と信頼を得やすく、スムーズな協力関係を築けます。

エンジニア経験者の強み

エンジニア出身のプロダクトマネージャーは、技術的知見に基づく的確な判断ができる点が強みです。コードレベルでの理解があるため、技術的な議論に深く参加でき、エンジニアとの信頼関係を築きやすいでしょう

また、技術トレンドへの感度が高く、新しい技術の導入メリット・デメリットを適切に判断できます。開発チームが直面する技術的課題に共感でき、適切なサポートや意思決定ができる点も強みといえます。

技術的知見に基づく的確な判断と、開発部門との円滑な連携

エンジニア経験者は、技術的な実現可能性を正確に判断できるため、無理のある要求や非効率な実装方法を避けられます。開発チームとのコミュニケーションでは、技術的な背景を共有しているため円滑な連携も可能です。

こうした相互理解により、プロダクトマネージャーvs開発チームという対立構造ではなく、協力してプロダクトを成功させるパートナーシップを築けます。プロダクト開発の速度と品質の両方を向上させられるでしょう。

PjM経験者の強み

プロジェクトマネージャー経験者は、高度なステークホルダー調整能力を持っている点が大きな強みです。複数の関係者の利害を調整し、合意形成をしてきた経験は、プロダクトマネージャーの重要なスキルとして活かせます

また、スケジュール管理やリスクマネジメント、進捗報告といったプロジェクト管理スキルは、プロダクト開発においても必須です。特に、複雑な利害関係の中で意思決定を進め、プロジェクトを成功に導いた経験は、プロダクトマネージャーとして事業部門と開発部門の橋渡しをする際に役立ちます。

高度なステークホルダー調整能力による、事業部門と開発部門の橋渡し

プロジェクトマネージャー経験者は、異なる立場や優先順位を持つステークホルダー間の調整に長けている傾向にあります。それぞれの意見を聞き、最適な判断を導く力を身に付けているためです。

例えば、緊急の顧客要望に対して、短期的な対処と中長期的な根本解決の両方を計画し、関係者全員が納得できる落とし所を見つけられます。経営層への報告や事業戦略との整合性を保ちながら、プロダクト開発を進める能力にも長けています。

このように、プロジェクトマネージャーが持っているこうした調整力は、プロダクトマネージャーとして成果を出す際にも活用可能です。

転職の際には、「エンジニア経験」「PjM経験」をプロダクトマネージャーとして、どう活かすかが重要になってきます。1人で転職活動を進めていると、難しいと感じることもあるでしょう。

そのような場合は、キッカケエージェントをご活用ください。元エンジニアのアドバイザーが、身に付けた技術的知見を最大限に評価してくれる企業と、足りないスキルを補う最適なキャリアパスを一緒に設計します。

無料でご利用いただけますので、まずはお気軽にご相談ください。

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プロダクトマネージャーに関してよくある質問(FAQ)

プロダクトマネージャーに関してよくある質問(FAQ)

Q. エンジニアとしての実務経験は必須でしょうか?

エンジニアとしての実務経験は必須ではありませんが、あると大きなアドバンテージになります。特にtoB向けSaaSや技術的に複雑なプロダクトを扱う企業では、技術的バックグラウンドは評価されやすいでしょう。

ただし、エンジニア経験がなくても、プロダクトマネージャーとして成功している人は多くいます。重要なのは、技術的な実現可能性を理解しようとする姿勢と、エンジニアと対等に会話できるだけの基礎知識です。

Q. 事業戦略やマーケティングに関する知識はどの程度求められますか?

プロダクトマネージャーにとって、事業戦略やマーケティングの知識は重要ですが、最初から完璧である必要はありません。むしろ、市場分析や競合調査、顧客セグメントといった事業的な視点を持つ方が期待されます。

ただし、専門のマーケティング担当者のようなスペシャリストレベルは求められない傾向にあります。事業全体を俯瞰し、技術・UX・ビジネスのバランスを取るT字型スキルが理想です。幅広い領域を浅く理解しつつ、1つの領域で深い専門性を持つと良いでしょう。

Q. 多様な関係者との調整で板挟みとなる職務でしょうか?

プロダクトマネージャーは、様々なステークホルダーの間で調整を行う立場ですが、板挟みにはなりません。

例えば、営業からは顧客要望の実装を求められ、開発チームからは技術的負債の解消を訴えられ、経営層からは売上目標の達成を期待される場面があります。ですが、これらは単なる板挟みではなく、多様な視点を統合して最適な判断を下す重要な役割として見られています。

プロダクトマネージャーは様々な立場の意見を聞き、データに基づいて優先順位を決定する権限と責任のある立場です。適切な判断基準とコミュニケーション能力があれば、関係者全員が納得できる意思決定もできるでしょう。

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まとめ:開発経験を活かしてプロダクトを牽引しよう

プロダクトマネージャーは、事業・技術・ユーザー体験の3つの領域を統合し、プロダクトの成功に責任を持つ「ミニCEO」的な役割です。エンジニアやプロジェクトマネージャーとしての経験も職務で大いに役立てられます。

コードを書くだけでなく、プロダクト全体の戦略に関わりたいと感じているのなら、プロダクトマネージャーへのキャリアチェンジを検討する価値は十分にあります。

もしプロダクトマネージャーへの転職で迷った際は、キッカケエージェントをご活用ください。「転職でのミスマッチをゼロにする」をコンセプトに、ITエンジニアに特化したキャリアアドバイザーが、技術力やキャリア、収入、ワークライフバランスなど様々な観点からアドバイスしております。

無料でご相談いただけますので、プロダクトマネージャーへの転職を検討している方は、ぜひ1度お気軽にご相談ください。

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IT菩薩モロー

この記事を監修した人

毛呂 淳一朗 「IT菩薩モロー」

YouTubeでITエンジニアの転職やキャリアに関する情報を発信するキャリア系インフルエンサー。YouTubeチャンネル登録者数は3.4万人(2025年4月時点)。

エンジニア採用担当としての経験も豊富で、企業が求める人材や視点も熟知。その経験を活かし、現在はITエンジニア特化のキャリア支援企業「キッカケエージェント」を立ち上げ、月間120人のITエンジニアと面談を行う。エンジニアのキャリア志向と企業課題の解決を両立する最適な人材紹介を提供。

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