転職ノウハウ|キッカケエージェント

受託開発とは?優良企業を見抜く5つの条件|SESの案件ガチャに悩むあなたへ

受託開発とは?優良企業を見抜く5つの条件|SESの案件ガチャに悩むあなたへ

最終更新日:2025.11.27

X (Twitter) でシェアFacebook でシェアはてなブックマーク でシェア

「SESの案件ガチャに疲れた…次は受託開発を考えているけど、本当に大丈夫?」
「受託開発も結局、客先常駐やデスマーチが多いんじゃないの?」

このように不安を感じている方は多くいます。実際、受託開発と一口に言っても企業によって働き方は大きく異なるため、慎重になるのも仕方ありません。ですが、優良な受託開発企業を見抜くポイントさえ押さえれば、技術力を磨きながら安定したキャリアを築くのは十分に可能です。

そこで今回は「受託開発とは何か」から「優良企業を見抜く5つの条件」まで詳しく解説します。「SESや自社開発の経験を活かす方法」や「後悔しない転職ステップ」も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

受託開発とは

受託開発とは、クライアント企業から依頼を受けて、システムやアプリケーションの開発を請け負う働き方です。発注元企業の事業課題を理解し、要件定義から設計、開発、テスト、納品まで一貫して担当します。

クライアントの事業課題をシステム開発で解決すること

受託開発の本質は、単にシステムを作るのではなく、クライアントが抱える事業課題を解決することにあります。業務効率化のための社内システム開発や、売上向上を目指すECサイト構築など、クライアントのビジネス目標達成を技術で支援します

そのため、受託開発のエンジニアには技術力だけでなく、クライアントの業界や事業内容を理解する力も必要です。要件をヒアリングし、最適な技術選定や設計を提案する場面が多くあります。

クライアントと深く関わっていく仕事でもあるため、開発したシステムがクライアントの事業成長に貢献し感謝された瞬間は、受託開発ならではのやりがいを感じられるでしょう。

単なるコーディング作業ではなく、ビジネス視点を持ちながら開発に携われる点が、受託開発の大きな魅力です。

ITエンジニア転職のプロに

今すぐ無料で相談する

受託開発とSES・自社開発の決定的な違い

クライアントとの「契約」と「働く場所」が違う

項目受託開発SES自社開発
契約形態請負契約(成果物に責任)準委任契約(労働時間に対価)雇用契約
働く場所自社オフィス中心(一部客先)客先常駐が基本自社オフィス
責任範囲プロジェクト全体担当業務のみ自社サービス全体
裁量権中~高(企業による)低~中

受託開発とSES、自社開発の最も大きな違いは、契約形態と働く場所にあります。

例えば、受託開発では請負契約を結ぶため、納期までに仕様通りの成果物を完成させる責任があります。そのため、自社オフィスでチームとして開発を進めるケースが多く、SESのように毎回異なる客先へ常駐するケースは少ない傾向です。

一方、SESは準委任契約で労働時間に対して報酬が支払われるため、成果物への責任は限定的です。自社開発は自分たちのサービスを育てるため、最も裁量権が高い働き方といえるでしょう。

ITエンジニア転職のプロに

今すぐ無料で相談する

「優良受託企業」を見抜く5つの絶対条件

「優良受託企業」を見抜く5つの絶対条件

1:プライム案件が8割以上を占めているか?

優良な受託開発企業を見抜く条件の1つに、プライム案件(直接クライアントから受注する案件)の割合があります。プライム案件が8割以上を占める企業は、クライアントとの直接取引により高い利益率を確保できていると考えられ、エンジニアの待遇や開発環境への投資にも期待できます

一方で、二次請け・三次請けの案件が多い企業では、中間マージンが発生するため利益が圧迫されがちです。その結果、エンジニアの給与が低く抑えられたり、開発環境への投資が不十分だったりするケースが多くあります。

こうした点から、面接時にはプライム案件の割合について直接質問してみましょう。明確に答えられない企業や、割合が低い企業は注意が必要です。

2:技術ブログや登壇資料などで「技術への熱量」が伝わるか?

技術ブログや登壇資料からも、優良受託企業かどうかが分かります。企業の技術ブログやエンジニアの技術カンファレンスでの登壇実績は、その企業の技術への姿勢を示す重要な指標となるためです。定期的に技術記事を発信したり、社外イベントで登壇したりしている企業は、エンジニアの学習や発信を推奨していると考えられます

また、技術ブログの更新頻度や内容の質をチェックすると、その企業のエンジニアがどのような技術に取り組んでいるかや、どの程度の深さで学習しているかが分かります。

受託企業への転職前は、必ず企業の技術ブログや登壇実績を確認し、技術への熱量を感じられるかチェックしましょう。

3:エンジニアが要件定義や技術選定に関わっているか?

エンジニアが要件定義や技術選定に関わっているかどうかも、優良企業を見分ける条件の1つです。優良な受託開発企業では、エンジニアが上流工程から参画し、要件定義や技術選定の場面で意見を述べられる環境が整っています。単に指示されたコードを書くだけでなく、「なぜこの技術を使うのか」「どう実装すべきか」を考える機会が多い傾向にあります。

そのため、面接時にはエンジニアがどの工程から参加しているのかや、エンジニアの意見が反映されるかどうかを質問してみましょう。

エンジニアがクライアントとの打ち合わせに同席したり、技術選定の理由を説明できたりする環境があれば、より深い技術理解とビジネス視点を養えます。

4:コードレビューやテストの文化が根付いているか?

コードレビューや自動テストの文化が根付いているかどうかも、優良な受託企業かどうかを判断する要素の1つです。企業の開発品質への意識を測る重要な指標として活用できます。以下のような開発文化があるか確認しましょう。

  • プルリクエストに対する必須レビュー制度
  • 単体テスト・結合テストの自動化
  • CI/CDパイプラインの整備
  • コーディング規約やドキュメント整備

これらが整備されている企業は、品質を担保する仕組みがあり、属人化を防ぐ体制が整っていると考えられます。逆に、納期優先でテストやレビューが疎かにされる企業では、技術的負債が蓄積し、エンジニアの疲弊につながります。

5:契約形態の「なぜ?」を理解し働き方を見極める

優良な受託企業を見抜く条件の1つに、契約形態もあります。受託開発には「請負契約」と「準委任契約(SES型)」が混在しているケースがあるため、なぜその契約形態を採用しているのかという理由を理解することが見極めには重要です

例えば、請負契約であれば成果物への責任が明確で、自社オフィスでチーム開発を進めやすい環境に期待できます。一方の準委任契約では、実質的にSESと変わらず、客先常駐が中心になる可能性があります。

そのため、面接では契約形態について確認し、企業側がその契約形態のもとで、エンジニアにどのような裁量と経験を積ませる具体的な計画を持っているかを明確に説明できるか確認しましょう。

一方で、企業を見極める際に重要な「プライム比率」や「コードレビュー文化」などは、求人表で見抜けないのも事実です。そこで検討したいのが、そうした情報を持っている転職エージェントの利用です。

キッカケエージェントでは、今回解説した「5つの条件」をクリアした「本当に優良な」受託企業だけを厳選して取り扱っています。

面倒な「企業の見極め」はプロに任せ、キャリアアップに集中したい方は、ぜひ1度お気軽にご相談ください。

ITエンジニア転職のプロに

今すぐ無料で相談する

受託開発で活きるSES・自社開発の経験

受託開発で活きるSES・自社開発の経験

SES:多様な現場への対応力

SESで様々な現場を経験してきた方は、その対応力が受託開発でも大きな強みになります。異なる業界や技術スタック、開発文化に触れた経験は、多様なクライアントの要望に柔軟に応える力として評価されるでしょう

例えば、金融系システムと医療系システムでは、求められるセキュリティレベルや規制対応が異なります。SESで複数の業界を経験していれば、クライアントの業界特有の課題を理解しやすく、適切な提案が可能です。短期間で新しい環境に適応する力や、初対面の人とも円滑にコミュニケーションを取るスキルも、受託開発のプロジェクトで活かせます。

こうした点から見ても、SESでの経験は受託開発で活躍するための貴重な資産の1つです。

自社開発:事業を伸ばした経験

自社開発によって自社サービスの成長に貢献した経験は、受託開発でも活かせます。特に、事業視点でシステムを考えられる力は、受託開発でも評価されます。クライアントのビジネス課題を理解し、最適な解決策を提案する場面で強みとして活かせるでしょう。

また、自社開発で培ったプロダクト思考やKPIを意識した開発姿勢は、受託開発でもクライアントの事業成功を目指す姿勢として高く評価される傾向にあります。

ITエンジニア転職のプロに

今すぐ無料で相談する

市場価値を最大化し後悔しない転職をする3つのステップ

市場価値を最大化し後悔しない転職をする3つのステップ

Step1:キャリアの棚卸しをする

受託開発への転職を成功させるには、まず自分のキャリアを丁寧に棚卸しするところから始めましょう。これまで携わったプロジェクトや使用技術、解決した課題を整理する中で、自分の強みが明確になります。

この際、自分を過小評価するのではなく、多様な環境での適応力や幅広い技術経験など強みとなる部分を見つけていきましょう。併せて、事業への貢献を具体的な数字で示せると説得力が増します。

Step2:「5つの条件」を使い候補企業を見極める

キャリアの棚卸しが完了したら、先ほど紹介した「優良企業を見抜く5つの条件」を使って転職候補の企業を評価していきます。企業のホームページや求人情報だけでなく、技術ブログや口コミサイトも活用して以下の情報を集めていきましょう。

  • プライム案件の割合は8割以上か
  • 技術ブログや登壇実績があるか
  • エンジニアが上流工程に関われるか
  • コードレビュー・テスト文化があるか
  • 契約形態と働き方が明確か

この際、1つではなく複数の企業を比較検討し、自分の価値観やキャリア目標に合致する企業を絞り込んでいきます。不明点があれば、面接時に遠慮なく質問するのも大切です。優良企業であれば、こうした質問に対して誠実に答えてくれます。

Step3:棚卸しした自分の強みを職務経歴書に落とし込む

最後に、棚卸しで整理した経験と強みを職務経歴書に具体的に落とし込みます。採用担当者が「この人なら活躍してくれそうだ」とイメージできるよう、定量的な成果や具体的なエピソードを盛り込んでいきましょう

例えば、SES経験者なら多様な環境での適応力や幅広い技術経験、自社開発経験者なら事業成長への貢献やプロダクト思考がアピール項目になります。自分の強みが企業のニーズとどう合致するかを意識して書き、説得力のある職務経歴書を作りましょう。

ただし、企業のニーズに対応できる職務経歴書を作るとなっても、難しいと感じる方も多いでしょう。そのような場合は、転職のプロに相談してみる方法がおすすめです。

キッカケエージェントでは、元エンジニアのアドバイザーが、プロの目線で職務経歴書を添削し、「受かる職務経歴書」の作成をサポートしております。

無料でご利用いただけますので、職務経歴書の作成が不安な方は、ぜひ1度下記リンクよりご相談ください。

ITエンジニア転職のプロに

今すぐ無料で相談する

受託開発への転職でよくある質問(FAQ)

受託開発への転職でよくある質問(FAQ)

やはり納期が厳しいのでしょうか?

受託開発では納期が設定されるため、プレッシャーを感じる場面はあります。しかし、優良企業では適切なプロジェクト管理が行われており、無理なスケジュールでの開発を強いられるケースは少ないといえます。

また、プライム案件中心の企業ではクライアントと直接交渉できるため、技術的に困難な要求に対しては代替案を提示したり、スケジュールを調整したりする余地もあります。面接時に平均的な残業時間やスケジュール設定のプロセスを確認し、無理のない働き方ができるか見極めるようにしましょう。

顧客との折衝が苦手なのですが大丈夫でしょうか?

受託開発では顧客とのコミュニケーションはありますが、すべてのエンジニアが直接折衝する必要はありません。企業によっては営業やPM、テックリードが顧客対応を担当し、開発メンバーは技術的な実装に集中できる体制を整えているケースもあります。

ただし、キャリアアップを目指すなら、ある程度の顧客折衝スキルを身につけておいた方が良いでしょう。要件のヒアリングや技術的な説明ができると、プロジェクト全体を理解しやすくなり、より高度な提案ができるようになるためです。最初は先輩エンジニアに同行する形で、少しずつ経験を積める環境を選びましょう。

自社開発に戻ることは可能ですか?

受託開発から自社開発への転職は可能です。むしろ、受託開発で複数のプロジェクトを経験し、多様な技術や業界知識を身につけたエンジニアは、自社開発企業からも評価されやすい傾向にあります。

様々なクライアントの課題解決に携わった経験によって得られた幅広い視点や技術の引き出しは、自社サービスの改善や新機能開発において大きな強みになります。納期管理やクライアントとのコミュニケーション経験も、自社開発のプロジェクトマネジメントで活かせるでしょう。

ITエンジニア転職のプロに

今すぐ無料で相談する

まとめ:最適なキャリア選択は客観的な情報と戦略が重要です

受託開発は、優良企業を選べば技術力を磨きながら安定したキャリアを築ける働き方です。今回紹介した「プライム案件の割合」「技術への投資姿勢」「エンジニアの裁量権」など、具体的な判断基準を持って、転職先を見極めるようにしましょう。

もし転職活動で迷った際は、ITエンジニア専門の転職エージェントに相談するのがおすすめです。キッカケエージェントでは、「転職でのミスマッチをゼロにする」をコンセプトに、ITエンジニアに特化したキャリアアドバイザーが、技術力やキャリア、収入、ワークライフバランスなど様々な観点からアドバイスしております。

無料でご相談いただけますので、受託開発への転職を検討している方は、ぜひ1度お気軽にご相談ください。

ITエンジニア転職のプロに

今すぐ無料で相談する

Share:

X (Twitter) でシェアFacebook でシェアはてなブックマーク でシェア
IT菩薩モロー

この記事を監修した人

毛呂 淳一朗 「IT菩薩モロー」

YouTubeでITエンジニアの転職やキャリアに関する情報を発信するキャリア系インフルエンサー。YouTubeチャンネル登録者数は3.4万人(2025年4月時点)。

エンジニア採用担当としての経験も豊富で、企業が求める人材や視点も熟知。その経験を活かし、現在はITエンジニア特化のキャリア支援企業「キッカケエージェント」を立ち上げ、月間120人のITエンジニアと面談を行う。エンジニアのキャリア志向と企業課題の解決を両立する最適な人材紹介を提供。

YouTubeX

転職のミスマッチをゼロにする

キッカケエージェントは、あなたのオンリーワンのエンジニアキャリアを共創します

今の時点でご経験をされている言語や技術要素に関係なく、

① 技術を通じてユーザーやお客様にとって使いやすいサービスの実現に興味があるエンジニアの方
② 興味・関心がある技術について自ら学ぶ意欲をお持ちの方

上記に当てはまる方でしたら、素晴らしい企業とのマッチングをお手伝いできる可能性が高いです。

ITエンジニア転職のプロに

今すぐ無料で相談する