「SESで毎日客先常駐……このままで本当にいいのか不安」
「自社開発に憧れるけど、自分のスキルで本当に通用するのかわからない」
このように悩んでいる方は多くいます。実際、SESでの働き方に疲れを感じ、自社開発への転職を考えても、自信が持てずに一歩を踏み出せないのも仕方ありません。
しかし、SESで培った経験は決して無駄ではなく、むしろ自社開発で大きな武器になります。重要なのは「自分の経験をどう言語化するか」と「企業の本質を見抜く力」を身につけられるかです。
そこで今回は「自社開発とは何か」から「転職前に知るべき5つの真実」まで詳しく解説します。市場価値を最大化する転職手順も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
自社開発とは?
企業が自社で企画・開発・運用するサービスのこと
自社開発とは、企業が自社のビジネスとして提供するサービスやプロダクトを、自社のビジネスとして提供するサービスの開発・運用を、自社が主体となって行う働き方です。クライアントのために開発する受託開発や他社に常駐するSESとは異なり、自分たちが作ったサービスを自分たちで育てていきます。
例えば、ECサイトやSNS、業務効率化ツールなど、エンドユーザーに直接価値を届けるサービスの開発に携わるとイメージするとわかりやすいでしょう。サービスの成長が会社の売上に直結するため、エンジニアも事業の当事者として意思決定に関われる機会が多いのも特徴です。
自社開発には2つのタイプがある
| タイプ | 対象ユーザー | サービス例 | 特徴 |
| toC型 | 一般消費者 | SNS、EC、ゲーム、メディア | ユーザー数が多く、UX重視 トレンドへの対応が重要 |
| toB型 | 企業・法人 | SaaS、業務システム、分析ツール | 安定性が重視される業務理解や長期的な改善が求められる |
自社開発企業は、大きくわけて「toC型」と「toB型」の2つのタイプに分類できます。上の表のように、それぞれ開発するサービスの性質や求められるスキルが異なるため、自分に合ったタイプを理解するようにしましょう。
例えば、toC型は多数のユーザーに使われるため、パフォーマンスやUI/UXの改善が重要になります。一方、toB型は企業の業務を支えるため、安定性やセキュリティ、業務フローの深い理解が必要です。
どちらのタイプが自分の志向に合うか考えておくと、転職先選びの軸が明確になるでしょう。
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今すぐ無料で相談する自社開発と受託開発・SES・SIerの本質的な違い
「お金の流れ」と「誰のために開発するか」が違う
| 業務 | 収益源 | 開発目的 | エンジニアの立場 |
| 自社開発 | サービス利用料・広告収入 | 自社サービスの成長 | プロダクトの当事者 |
| 受託案件 | 開発案件の受注 | クライアントの課題解決 | プロジェクトの実行者 |
| SES | 技術者派遣 | 派遣先の業務支援 | 労働力の提供者 |
| SIer | システム構成案件 | 大規模システムの導入 | システムの構築者 |
自社開発と他の働き方の最も大きな違いは、収益構造と開発の目的にあります。そのため、上記の違いを理解しておくと、それぞれの働き方の特徴や自分に合ったキャリア選択が見えてきます。
例えば自社開発では、サービスの成長が会社の収益に直結するため、エンジニアも事業の当事者として関わります。一方、SESや受託開発では、クライアントや派遣先の要望に応えるのが主な役割です。
こうした違いによって、それぞれ求められるスキルや評価基準、キャリアパスが大きく異なります。転職を考えた際は、まず自分がどのような立場で開発に関わりたいかを考えるところから始めましょう。
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今すぐ無料で相談する自社開発へ転職する前に知るべき5つの真実

1.技術の自由は事業貢献への責任とセットである
自社開発では最新技術を試せる自由度がある一方で、選んだ技術が事業成果に直結する責任も伴います。技術を選ぶ際は、単に使いたいからではなく、「なぜこの技術がサービスの成長に貢献するのか」を説明できなければなりません。
例えば、新しいフレームワークを導入する場合、開発効率の向上やパフォーマンス改善といった具体的なメリットを示す必要があります。
SESでは指示された技術を使う立場でしたが、自社開発では技術選定の理由を説明し、結果に責任を持つ立場になります。そうした責任感を持てる人こそ、自社開発で活躍できる人材です。
2.作業者ではなくプロダクトの当事者になる
自社開発では、エンジニアは単なる実装担当者ではなく、プロダクトの成功に責任を持つ当事者として扱われます。そのため、コードを書くだけでなく、機能の企画段階から関わったり、データ分析をもとに改善提案をしたりする機会が多くあります。
例えば、ユーザーの離脱率が高い画面があれば、UIの改善案やA/Bテストの提案をするといった形です。言われたとおりに作るのではなく、どうすればユーザーにとって価値があるかを常に考える姿勢を求められるでしょう。
3.評価基準が常駐時間から生み出した価値に変わる
SESでは労働時間や稼働日数が評価の基準になりがちですが、自社開発ではどれだけの価値を生み出したかで評価されます。機能のリリース数やユーザー満足度の向上、売上への貢献などの評価指標を満たせているかが重要です。
そのため、長時間勤務よりも、限られた時間で最大の成果を出すことが重視されます。無駄な会議を減らしたり、自動化で効率を上げたりする工夫も評価の対象です。技術的な改善だけでなく、チームの生産性向上やメンバーの育成も価値になります。
自社開発へ転職する際は、そうした評価基準の変化を理解したうえで、成果を可視化する習慣を持つようにしましょう。
4.自社開発というだけで企業を選んではいけない
自社開発企業なら、全てが理想的な環境というわけではありません。技術的負債が山積みで新しいことに挑戦できない企業や、事業が伸び悩んでリストラの危機にある企業も存在します。転職の際に、自社開発のラベルだけで判断するのは危険です。企業選びにおいて、以下のポイントを必ず確認しましょう。
- サービスの成長性と市場での立ち位置
- 技術ブログや登壇実績から見る技術への投資姿勢
- エンジニアの裁量権と意思決定への関与度
- 開発体制とコードレビューの文化
- ワークライフバランスと働き方の柔軟性
表面的な情報だけでなく、面接時に開発環境や技術的な課題についても深く質問し、企業の実態を見極めるのが大切です。
5.あなたの不遇な経験が最大の武器になる
SESでの案件ガチャやスキルが身につかない環境での経験は、実は自社開発で大きな強みになります。様々な現場を経験したことで培われた適応力や、制約の中で工夫してきた問題解決力が、自社開発の課題に直面した際に活きるためです。
例えば、レガシーコードのリファクタリング経験や曖昧な要件を整理してきた経験などは、自社開発の技術的負債解消や事業成長フェーズで重宝されます。また、多様なチームで働いた経験は、コミュニケーション能力や柔軟性として評価されるでしょう。
転職で大切なのは、辛かった経験を苦労話にするのではなく、価値ある学びとして言語化することです。想像以上のプラスに働く可能性があります。
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Step1.キャリアの棚卸しをする
自社開発への転職を成功させるには、まず自分のキャリアを棚卸しするところから始めましょう。SESでの経験を「ただ現場を転々としただけ」と過小評価せず、そこで得たスキルや学びを明確にしていきます。例えば、以下のような項目をピックアップしてみてください。
- 参画したプロジェクトの内容と自分の役割
- 使用した技術スタックとその習熟度
- 直面した課題とそれをどう解決したか
- 工夫した点や改善提案をした経験
- プロジェクトから学んだことや気づき
特に、困難な状況でどう工夫したかというエピソードは、問題解決力の証明になります。上記に該当する経験やエピソードを具体的に言語化し、自分の市場価値を正しく理解していきましょう。
Step2.企業を見極める
キャリアの棚卸しが完了したら、次は転職候補の企業を慎重に見極めます。自社開発企業にも様々なタイプがあるため、表面的な情報だけでなく、企業の本質を理解するようにしましょう。その際、以下のポイントを意識してみてください。
- サービスは成長しているか(ユーザー数、売上推移)
- 技術ブログやGitHubでの活動から技術への投資姿勢が見えるか
- エンジニアが企画段階から関われる文化があるか
- コードレビューやテストなど、品質担保の仕組みがあるか
- ワークライフバランスは保たれているか(残業時間、休暇取得率)
- 事業の将来性と市場での競争力はあるか
企業のホームページだけでなく、技術ブログやSNS、口コミサイト、採用イベントなど複数の情報源を活用しましょう。加えて、面接では遠慮せず、開発環境や技術的な課題について深く質問するのもおすすめです。
Step3.職務経歴書を価値が正しく伝わる形に整える
最後に、棚卸しした経験を採用担当者に正しく伝わる形で職務経歴書に落とし込みます。SESでの経験を単なる業務内容の羅列で終わらせず、「何を考え、どう行動し、どんな成果を出したか」を具体的に記述しましょう。
例えば「Javaで開発を担当しました」ではなく「レガシーなJava 8のコードベースで、JUnit導入を提案し単体テストカバレッジを30%向上させました」と書くと、問題解決力と技術的な成長意欲が伝わります。
自分の強みが企業のニーズとどう合致するかを意識して書き、説得力のある職務経歴書を完成させましょう。
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今すぐ無料で相談する自社開発への転職でよくある質問(FAQ)

Q. Web系のモダンな開発経験がほとんどないのですが、通用しますか?
モダンな技術スタックの経験がなくても、自社開発への転職はできます。なぜなら、企業が重視するのは現在のスキルセットだけでなく、学習意欲や問題解決能力に加え、これまでの経験から何を学んできたかという姿勢だからです。
例えば、レガシーな環境でのトラブルシューティング経験は、どんな技術スタックでも活きる基礎力の証明になります。独学でモダンな技術に触れた経験があれば、それも積極的にアピールしましょう。完璧なスキルセットよりも、成長し続ける意欲と姿勢が評価されます。
Q. 30代後半からでも自社開発へのキャリアチェンジは可能ですか?
30代後半からでも自社開発への転職は可能です。むしろ、長年のエンジニア経験で培った問題解決力やプロジェクト管理能力、コミュニケーションスキルは、自社開発企業でも高く評価されます。
実際、30代以上のエンジニアが自社開発に転職し、リードエンジニアやテックリードとして活躍している事例は数多くあります。現場では若手エンジニアにはない、安定した判断力やメンタリング能力が求められる場面も多いためです。
ただし、年齢が上がるほど転職の動機や学習意欲の証明が重要になります。
Q. ポートフォリオがありません。それでも転職できますか?
ポートフォリオがなくても、職務経歴と面接での受け答えで十分に自分の実力を示せます。特にSES経験者の場合、業務で携わったプロジェクトの詳細を具体的に説明できれば、それが実質的なポートフォリオの代わりになるでしょう。
ただし、可能であれば簡単な個人プロジェクトを作成しておくのをおすすめします。完璧なアプリケーションである必要はなく、興味のある技術を試した小規模なプロジェクトで十分です。例えば、業務で感じた不便を解決する簡単なツールや、学習のために作ったTodoアプリなどでも構いません。自発的に学ぶ姿勢を示し、採用担当者に好印象を与えましょう。
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今すぐ無料で相談するまとめ:その「疲れ」はあなたが次のステージに進むべきサインです

あなたの経験の価値を、あなた自身が信じることから始めよう
SESでの経験を、大したことないと過小評価している方は多くいます。しかし、様々な現場で培った適応力や制約の中で工夫してきた問題解決力は、自社開発で大きな武器になります。
今感じている疲れや焦りは、自社開発へ転職できるサインと考え、行動してみましょう。自分の経験を正しく言語化し、企業の本質を見抜く力を身につけて、自信を持って一歩を踏み出せば、自社開発への転職は決して夢ではありません。
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