バックオフィス向けSaaSで国内トップクラスのシェアを誇る株式会社ラクス。同社では、エンジニアが自らの意思でプロダクトの未来を描き、その挑戦が正当に評価される文化が根付いています。

今回は、大阪で募集しているWebアプリケーションエンジニアについて、「楽楽請求」開発部長の岸本様と、採用担当の白井様にお話を伺いました。エンジニアが納得感を持って成長できる組織のリアルに迫ります。

顧客の『リアルな声』から進化し続ける「楽楽請求」開発の裏側

まずは、「楽楽請求開発部」の事業内容やミッションについてお聞かせください。

岸本:「楽楽請求」は、当社の主力製品である「楽楽精算」の一機能である「請求支援オプション」を切り出して、独立したプロダクトとして開発されました。企業に届く多種多様な請求書をデータ化し、社内の承認フローを経て、最終的に銀行振込データや会計システム用の仕訳データを作成するまでの一連の業務を効率化します。

近年、請求書受領業務のDXニーズが急速に高まり、お客様からも機能拡充への強いご要望をいただくようになりました。その声に応えるべく、一つの独立したプロダクトとしてスピンアウトし、企業のバックオフィス業務全体の生産性向上に貢献することを使命として、日々開発に取り組んでいます。

請求書受領という領域特有の「面白さ」や「難しさ」についてお聞かせください。

岸本:この領域の難しさは、何と言っても日本企業に根強く残る「紙文化」と、企業ごとに千差万別な業務フローにあります。

例えば、拠点ごとに届く請求書を本社で一括管理していたり、承認フローや会計システムとの連携方法もお客様によってばらばらです。こうした多様な運用方法をすべて吸収し、誰にとっても使いやすい「汎用的な」システムとして昇華させるのが、私たちの挑戦です。

一つひとつの課題を解きほぐし、最適なアーキテクチャを設計していく過程は難易度が高いですが、それこそが顧客の業務効率化に直結する部分であり、この仕事の最も面白いところだと感じています。

顧客の『リアルな声』に応えるために、工夫されていることはありますか?

岸本:開発チームが直接お客様と話す機会は多くありませんが、その分、社内の専門部署と密に連携し、顧客の声を収集しています。新規のお客様からの要望は営業部門から、既存のお客様の改善点はカスタマーサポート（以下CS）部門から共有され、この2つのチャネルを中心に声を集めています。加えて、競合サービスの動きも定期的に確認し、市場全体のトレンドも押さえています。

また、定期的に営業・CS・開発の三者で交流会を開き、テキストでは伝わらない要望の背景や温度感を共有する場を設けています。この場があることで、単なる機能追加ではなく、お客様が本当に抱えている課題を理解した上で開発に取り組むこと、「顧客志向」を心掛けています。

面接で問われる『課題解決の経験』と、ラクスが求める人物像

貴社のエンジニアに求める人物像とはどのようなものでしょうか?

岸本:私たちが一貫して求めているのは、自らの意思で「もっとこうしたい」と考え、行動できる「自走型」の人物です。ラクスには、開発プロセスやツール選定において厳しい制約は多くありません。だからこそ、現状をただ受け入れるのではなく、「どうすればもっと良くなるか」という課題意識を持ち、自発的に改善提案ができる方を歓迎します。

具体的には、課題を見抜く「思考力」、解決に向けて主体的に動く「行動力」、そして周囲を巻き込みながら物事を前に進める「人間関係力」と「組織推進力」が求められます。これら4つの力をバランス良く備え、チームやプロダクトの成長に貢献したいという情熱を持った方と、ぜひ一緒に働きたいと考えています。

面接ではどのような点を重視して、候補者と向き合っていらっしゃいますか?

岸本:もちろん技術スキルや経験は重要ですが、それ以上に、その方の根底にある「思考プロセス」と「主体性」に注目しています。

そのため、面接では「現職(前職)で感じていた課題は何ですか?」「もし予算や立場の制約がなければ、あなたならどう解決しますか?」といった質問を投げかけます。これは、候補者がどれだけ当事者意識を持って課題を捉え、解決に向けて創造的な思考ができるかを知りたいからです。

たとえ突飛なアイデアであっても、その背景にある論理や情熱を自分の言葉で語れるかが大切です。私たちは、スキルシートだけでは測れない、そうしたポテンシャルや人間的な魅力を大切にしています。

「課題解決の経験」を質問される背景について詳しくお聞かせください。

岸本:この質問は、私たちの評価軸である「思考力」「行動力」「人間関係力」「組織推進力」という

4つの要素が、一連のストーリーとして表れるため重視しています。本当にご自身が課題だと感じ(思考力)、どのようなアクションを起こし(行動力)、上司や他部署をどう巻き込んだのか(人間関係力・組織推進力)が明確になるんです。

私たちは、経験の大小よりも、一連のプロセスにおける候補者の役割や工夫を深掘りします。過去の行動には、その方の本質が現れるからです。この質問を通して、候補者がラクスという環境で、主体性を持って活躍いただけるかを確かめたいと考えています。

言語経験よりも『思想』を重視！顧客の課題解決に挑む、ラクス流の開発プロセスと技術スタック

「楽楽請求開発部」の開発環境について教えてください。

岸本:「楽楽請求」では Kotlin と Spring Boot を採用し、設計思想の根幹にDDD(ドメイン駆動設計)を取り入れています。これは、お客様の複雑な業務を正確にコードで表現し、ビジネスの変化に柔軟に対応できるシステムを構築するためです。

開発は1週間を1サイクルとするスプリント形式で進めています。毎週木曜にチームで計画を立て、翌週水曜のリモートワークデーで個々のタスク整理や次週の準備に集中する。この明確なリズムにより、チームは常に高い生産性を維持しながら、計画的に開発に取り組むことができています。

言語経験よりも思想を重視している背景についてお聞かせください。

岸本:私たちがDDD（ドメイン駆動設計）を採用している理由は、お客様の複雑な業務を正確にモデル化し、将来の変更にも強いシステムをつくるためです。そのためには、表面的な言語スキルよりも、オブジェクト指向の考え方や設計の思想を理解していることが重要になります。
お客様の業務をどのようにモデル化し、どのように変更に強い、読みやすいコードで表現できるか。

この“設計のベース”ができていれば、言語の違いは大きな壁にはなりません。
実際に、メンバーの半数以上はPHPバックグラウンドからのコンバートしています。特定の言語を知っていること以上に、「優れた設計とは何か」を常に探求し続けられる方と一緒に働きたいと考えています。

入社後は、どのような流れで開発プロセスや文化に慣れていくのでしょうか。

岸本:入社後の最初の1ヶ月間はオンボーディング期間として、集中的に学習できる環境を用意しています。専任のメンターがつき、私たち独自のカリキュラムに沿って、開発フローやツール、ドメイン知識などを体系的に学んでいただきます。

カリキュラムには実際の開発に近い形での模擬演習も含まれており、実践的にスキルを習得できます。もちろん、画一的なプログラムではなく、ご本人の習熟度や希望に応じて、早い段階でOJTに切り替えるなど柔軟に対応していますので、バックグラウンドに関わらず、安心してチームになじんでいただける環境です。

部署の垣根を越えた活発な交流が、エンジニアの成長を加速させる

エンジニアの1日のスケジュールを教えてください。

岸本:私たちは、1週間単位のスプリント開発を基本とし、計画的に開発を進めています。一日のスタートは全部署合同の朝会での挨拶と情報共有から。その後、チーム毎にタスクを確認し、日中は開発やミーティングに集中します。週に一度の「リモートワークデー」は、スプリントの締めくくりとして個々のタスクに集中する時間に充てています。

このように、チームで協力する時間と個人で集中する時間のバランスを保ち、メリハリのある働き方を意識しています。

部署の垣根がなく、交流が盛んと伺いました。どのような文化なのですか？。

岸本:特別な工夫というより、「誰に聞いても良い」という文化が自然と根付いていますね。チームの席も近く、困ったことがあればすぐ相談できます。

それでも解決しない場合には開発部全体のチャットで「この技術で困っているのですが、他部署ではどうしていますか?」と質問を投げかけることが推奨されています。オープンな文化があることで、知識やノウハウが個人に閉じず、組織全体として成長しやすい環境ができています。

日常のコミュニケーションだけでなく、部署を越えたつながりをつくるイベントも充実しています。ビアバッシュやテックカンファがその代表例です。

「ビアバッシュ」や「テックカンファレンス」について詳しく教えてください。

白井:どちらもエンジニアの知的好奇心を満たし、部署横断のつながりを深める大切なイベントです。
「ビアバッシュ」では、ビールを片手に「このツール試したら開発効率が上がったよ」「この技術なら任せてください」といったラフな情報交換が行われています。

また、ラクスでは自社のSaaS開発で培った知見を発信するために、テックカンファレンスも主催しています。 これまで培ってきた技術的な強みや学びに加え、今まさに取り組んでいる変革へのチャレンジも積極的に公開しています。社外にラクスを知っていただく場であると同時に、社内にとっても相互理解を深め、技術研鑽につなげる学び多い場となっています。

主体性を軸に、課題の本質に向き合える方と働きたい。

ラクスが求めるエンジニア像について教えてください。

岸本：私たちは、ただ依頼されたものを作るのではなく、 「なぜこの機能が必要なのか」「もっと良くする方法はないか」を自分で考えて動ける方を歓迎しています。お客様の業務を深く理解し、課題の本質をとらえて設計する場面が多いため、 必要なのは特定の言語経験よりも、課題を整理し、より良い形に変えていくための思考力と主体性です。

スプリントで開発を進めるため、周囲と適切にコミュニケーションを取り、 意見を交わしながら前に進める力も欠かせません。一緒により良いものをつくろうと動ける方と働きたいと考えています。

面接では、どんな部分を見ているのでしょうか？

岸本：面接で重視しているのは、経験の量よりも、課題にどう向き合い、どう行動してきたかです。「現職で感じていた課題」「もし制約がなければどう改善するか」などを伺い、その方の思考の深さや主体性を確認しています。

過去の行動には、その人の価値観がはっきり表れます。ラクスで活躍できる方かどうかも、この部分から自然と見えてくると考えています。

私たちがここまで丁寧にお話を伺うのは、入社後に一緒に働く立場だからこそ、どんな方なのかを丁寧に理解したいと考えているためです。入社後の成長を支えるのは現場です。だからこそ、候補者の想いや背景をしっかり受け止める姿勢を大切にしています。

候補者の想いを丁寧に聞き、オファーに向けた資料づくりにも現場が関わり、 “採用に手を抜かない”姿勢を貫いています。

人事部門としては、どんな点を重視しているのでしょうか？

白井： スキルや経験だけでなく、その方が持つ可能性やラクスの文化と合うかどうかを丁寧に見ています。特に大切にしているのが、ラクスの評価軸でもある「思考力」「行動力」「人間関係力」「組織推進力」の4つです。

面接は一方的に私たちが判断させていただく場ではなく、これまでの経験でどう力を発揮されてきたのかを、対話を通じて深く理解する場だと考えています。同時に、候補者の方が持つ疑問や不安にもきちんと耳を傾け、入社後のミスマッチが起きないよう、リアルな情報をお伝えすることも大切にしています。

評価への納得度は95%超え！公平性と透明性を追求した評価制度とキャリアパス

評価制度や年収について教えてください。

白井：ラクスでは、努力や成果がきちんと本人に返ってくるよう、評価と報酬の仕組みをできるだけ明確にすることを大切にしています。

等級制度で等級に応じた職務要件が明確に定義されており、それに基づき年収が決定します。日々の業務で発揮されたスキルや成果、チームや組織への貢献度をもとに評価を行い、その結果が等級や年収に反映される仕組みです。

近年はベースアップも行っており、がんばりがきちんと処遇に結びつくよう整えています。具体的な年収レンジやモデルについては、選考の中でご経験やスキルに応じて個別にお伝えしています。

エンジニアの評価軸「4つのコンピテンシーと3つの技術評価」について教えてください。

岸本：当社のエンジニア評価は、全社共通の4つのコンピテンシー(思考力、行動力、人間関係力、組織推進力)に加え、エンジニア独自の3つの技術評価軸(業務遂行力、専門スキル、情報収集・発信能力)で構成されています。

これら合計7つの軸を総合的に評価することで、単にコードが書けるだけでなく、ビジネスに貢献し、チームを成長させられるエンジニアを正当に評価する仕組みになっています。
等級が上がるにつれて各軸で求められるレベルも高くなり、明確な成長目標を持つことにもつながっています。

入社後のキャリアパスについてお聞かせください。

岸本:まず実装メンバーとして経験を積み、3〜4名のチームをまとめるリーダーを目指すのがひとつの流れです。その先は、ご本人の希望や適性に応じてキャリアの方向が分かれます。

複数チームを束ねてプロジェクト全体を推進する「プロジェクトリーダー(マネジメント)」、特定の技術領域を深く追求し、難易度の高い課題解決を担う「スペシャリスト(SP)」など、選択肢は多岐にわたります。

また、月1回の1on1やキャリア面談を通じて、「どんな成長を目指したいか」「今どんな壁にぶつかっているか」を気軽に相談できる場を設けています。ひとり一人が納得して成長できるよう、柔軟なキャリア形成を支えることを大切にしています。

変化を恐れない挑戦者へ、ラクスからのメッセージ

ラクスという環境を活かして成長できる人の特徴についてお聞かせください。

岸本:自ら課題を見つけ、その解決のために主体的に行動できる方、そしてそのプロセスを楽しめる方です。逆に、上司やリーダーからの指示がないと仕事ができないという方には、厳しいかもしれません。

前職の制約が強い環境に慣れていた方が、入社後の自由度に戸惑うケースもありましたが、逆に「自分のアイデアを形にしたい」「仕組みづくりから携わりたい」という想いがある方には、ラクスは最高の成長環境となるはずです。

この記事を読んでいる候補者の方に「ラクスで働く魅力」をひとつ挙げるとしたら？

岸本:あらゆる仕事において得られる「納得感」、これに尽きると思います。

自分たちが開発したプロダクトが、お客様の業務を楽にして感謝の言葉が返ってくる。その過程での挑戦や成果が、公平で透明性の高い制度のもとで正当に評価され、自らの成長とキャリアにつながっていく。自分がかけた時間と情熱が、誰かの役に立ち、そして自分自身に返ってくるという実感。

このシンプルながらも本質的な手応えこそが、日々のモチベーションの源泉であり、ラクスで働く魅力だと自信を持って言えます。

最後に、候補者の皆様にメッセージをお願いします。

岸本:もし「言われたものを作るだけでは物足りない」「自分の技術で、もっと直接的に顧客の課題を解決したい」という想いを少しでもお持ちなら、ぜひ挑戦してほしいです。

ラクスはまだまだ発展途上の会社です。だからこそ、エンジニア一人ひとりの「もっとこうしたい」という声が、プロダクトや組織を動かす大きな力になります。

あなたの挑戦を歓迎し、その情熱を正当に評価する文化と制度を用意して待っています。変化を恐れず、一緒に新しい価値を創造していく、そんな未来の仲間に出会えることを楽しみにしています。

白井:私たちはAI活用なども視野に入れたフェーズへ進んでいます。お客様の声をより深く汲み取り、真に価値あるプロダクトを生み出すために、今ほど新しい仲間を必要としているタイミングはありません。「もっとユーザーのために、使いやすいプロダクトを作りたい」という想いを燻らせている方にとっては、ラクスはあなたの成長に直結する最高の舞台になるはずです。ぜひ一度お話しませんか。