「なぜ、これを作るのか?」株式会社ラクスのクラウド型販売管理システム「楽楽販売」の開発現場では、常に本質を問う対話が生まれています。17年に渡り提供してきたプロダクトを未来へつなぐため、チームは今、AI活用という新たな挑戦の真っ只中にあります。
今回は、楽楽販売開発部部長の藤井様と採用担当の白井様に、裁量とスピード感を武器に顧客価値を追求する組織のリアルと、そこで輝くエンジニアの人物像について語っていただきました。
汎用データベースから販売管理システムへ。17年の歴史が紡ぐ「楽楽販売」の今と未来

もともと「働くデータベース(以下:DB)」という汎用的なプロダクトだったそうですが、なぜ「販売管理」に特化する戦略を選んだのでしょうか?
藤井:「働くDB」はもともと、お客様の業務に合わせて自由にデータ管理の仕組みを構築できるサービスでした。導入時には要件を丁寧にヒアリングし、業務に合った形になるよう調整していたため、結果としてコンサルティングに近い形で課題解決を支援していました。
お客様ごとに使用用途が多様化する中で、より良い形で価値を届けるにはどうすべきかを考えるようになりました。
そこでお客様の利用実績を分析したところ、「販売管理」領域での活用が多いことがわかり、「楽楽販売」へと名称を変更し、販売管理に特化する戦略に舵を切りました。
このプロダクトの最大の強みは、汎用DBとして培ってきた柔軟性です。多くの販売管理システムがプリセット型であるのに対し、「楽楽販売」は日本企業特有の複雑な商習慣や社内ルールにも柔軟に適応できます。この点が、お客様に選ばれ続けている理由だと考えています。
17年の歴史を持つプロダクトとして、技術的負債や今後の展開をどのように考えていますか?
藤井:2008年のリリースから17年が経ち、歴史が長い分、古い作法で書かれたコードなどの技術的負債が一部には残っています。そうした点ついては、品質を維持・向上させるために、継続的に改善に取り組んでいます。
こうした「過去」と向き合う一方で、「未来」への投資として現在注力しているのがAIの活用です。その第一弾として、先日「AIによる構成提案機能」をリリースしました。これは、システムに詳しくないお客様でも、AIとの対話を通じて自社の業務に最適なデータベース構成を簡単に構築できる機能です。
今後も機能をさらに拡張していく計画で、「過去の負債解消」と「未来に向けた新機能開発」という両面に取り組んでいる、ダイナミックなフェーズにあります。
この「過去」と「未来」を両輪で回す挑戦の原動力になっているのが、「お客様の価値を追求し続けること」だと考えています。
「顧客価値の追求」を原動力とする中で、エンジニアは「顧客の声」をどのように開発に活かしているのでしょうか?
藤井:開発メンバーが直接お客様の声を聞く機会は多くはありませんが、その声を開発に活かすための仕組みを組織として整えています。
例えば、電子帳簿保存法への対応機能をリリースした際には、お客様はもちろん、営業やカスタマーサポート(以下:CS)部門からも「本当に助かった」という声が多く寄せられ、大きな手応えを感じました。
一方で、開発現場からは「もっと顧客の生のフィードバックが欲しい」という声も上がっています。その声を受け、CS部門がお客様の要望を集約・分析し、開発テーマとして起案する流れを強化しています。
そうして絞り込まれたテーマに取り組むことで、エンジニアがお客様への価値提供を実感しながら、開発に向き合える環境を整えています。
スキルフィットの先にある「思考力」を見る。候補者と向き合うラクスの選考プロセス
選考フローについて教えてください。特に、1次面接と最終面接の間に行われる「人事面談」では、候補者とどのような対話をされているのでしょうか?
白井:選考は基本的に、1次面接、人事面談、最終面接という流れで進みます。1次面接と最終面接の間に、人事担当者による「人事面談」の場をいただいています。
この面談は、選考の場ではなく、お互いの理解を深める、選考を進める中で感じた疑問や不安をすり合わせるための時間です。1次面接のフィードバックをお伝えしながら、「これまでの経験をラクスでどう活かせそうか」を一緒に整理し、最終面接に向けて準備する場でもあります。
面接では聞きにくいことや、率直に確認しておきたい点についても話してもらい、入社後のギャップをできるだけ減らせるようにしています。
私自身も中途採用で入社し、転職時にこの面談を経験しましたが、不安に思っていた点を事前に確認できたことで、納得して次の選考に進むことができました。応募いただいた皆さんにも、同じように感じてもらえたらと思っています。
面接では候補者のどのような点に注目されていますか?
藤井:面接では、スキルや経験だけでなく、どのように考えてきたか、「思考力」について特に深く伺っています。例えば「過去の失敗経験」について質問する際も、事実だけでなく「なぜそうなったのか」「その経験から何を学び、次にどう活かそうと考えているか」といったプロセスを深く掘り下げて伺います。これは、ラクスでは指示された作業をこなすだけでなく、自ら問いを立て、考えながら行動することが求められるからです。
時には、あえて答えのない質問をすることもあります。想定外の問いに対して、その場で自分なりに考えを整理し、答えを論理的に導き出せるか、そうした考え抜く力や、物事の本質を捉えようとする姿勢に注目しています。
スキルや経験ももちろん大切ですが、「考え抜く力」がラクスで活躍する上で重要だと考えています。
Webアプリの開発経験や使用言語については、選考の中でどのように重視していますか?
藤井:ポジションによって異なります。リーダー職の場合は、チームマネジメントや上流工程の経験を重視しているため、必ずしもPHPやWebアプリケーションの開発経験が前提というわけではありません。業務システムの開発マネジメント経験があれば、C#などの他の言語を使ってきた方も、十分に活かせると考えています。
実装を中心に担当するポジションの場合は、プロダクト開発をスムーズに進めるため、PHPやJavaを用いたWebアプリケーション開発の経験があることを重視しています。ただし、言語そのものよりも、Webアプリケーション開発の考え方や、これまでどのような開発に向き合ってきたかを見ています。
実際、私自身もJavaの経験のみで、PHPは未経験で入社しましたが、言語の壁で苦労した記憶はほとんどありません。むしろPHPの「ゆるさ」に戸惑ったくらいです(笑)。基本的な考え方が身についていれば、言語の違いは十分にキャッチアップできると感じています。
裁量と対話が生むスピード感。個の成長と組織の成果を両立させる仕組み

入社後は、具体的にどのような業務からスタートするのでしょうか?
藤井:まず入社後1ヶ月は、製品理解や開発プロセスについて学ぶ共通研修を受けていただきます。その後、2ヶ月目からOJTとして現場のチームに配属されます。実装を担うメンバーの場合は、3〜4名のチームに入り、まずは先輩のサポートのもとで比較的小さなタスクから担当し、徐々に担当範囲を広げていきます。
リーダー職の場合は、配属する組織のメンターと一緒に進捗管理などを実践で学び、3ヶ月目にはチーム運営を一通り任せてみる、といった形で段階的に裁量を移譲していきます。
どのポジションでも、約半年後には既存メンバーと同様に自走できる状態になることを目指しています。単に作業をこなすだけでなく、自ら考え、行動する経験を積みながら、着実に成長できるプロセスを用意しています。
入社後の成長を支える仕組みとして、月2回という高頻度で「目標管理面談(1on1)」を行う目的は何ですか?
藤井:月2回の1on1は、個人と組織の成長の両方を加速させるために、大切にしている取り組みです。
まず、半期ごとに設定した目標に対する進捗を確認します。ただ進捗を聞くだけでなく、「どうすれば達成できるか」という視点でマイルストーンを設定したり、課題解決に向けて一緒に知恵を絞ったりと、対話を重ねながら上司が伴走しサポートします。
また、日々の業務の状況やキャリアプランなど、より広いテーマについて話す時間にもしています。頻繁にすり合わせを行なうことで、認識のズレを早期に修正し、メンバーが安心して自分の業務に集中できるようにしています。アンケートで面談の質がチェックされるので、私たちマネージャー側も常に真剣勝負ですね。
日々の働き方を支える上で、ラクスではどのような文化や考え方を大切にしていますか?
藤井:残業時間については、以前と比べるとやや増えてはいますが、それでも月平均で18時間程度です。これは、AI開発など新しい挑戦に対して、メンバーが「より良いものを早く届けたい」と考え、自主的に取り組んでいる結果だと受け止めています。会社として、残業を前提にしたスケジュールを組むことはありません。
また、有給休暇の取得率は90%を超えており、休みを取得することに遠慮が生まれない風土があります。制度として整えている部分もありますが、それ以上に「個人の主体性を尊重する」という考え方が組織全体に浸透していることが、本当の意味での働きやすさにつながっているのだと思います。
それぞれが自分の役割や状況に合わせて働き方を調整できており、結果として無理なく仕事に向き合える環境につながっています。
マネジメントも、スペシャリストも。自らの意思で描く、ラクスでのキャリアパス
成長のスピードに違いはあると思いますが、伸びていく方に共通する点はありますか?
藤井:早く成長する方に共通しているのは、やはり「自ら動いてみる」姿勢です。「これをやってみたい」と積極的に手を挙げて担当範囲を広げていく方もいれば、失敗を経験しながらも、そこから学びを得て次の挑戦につなげていく方も成長が速いですね。
一方で、物事を慎重に進めたいタイプの方は、立ち上がりに少し時間がかかることもあります。ただ、そうした不安や迷いを一人で抱え込まないよう、周囲でフォローすることを大切にしています。
完璧を目指しすぎるよりも、まずは一歩踏み出してみる。その積み重ねが結果的に成長につながっていく、そんな環境がラクスにはあると感じています。
「楽楽販売」の開発組織では、マネジメントとスペシャリスト、それぞれどのようなキャリアを選ぶ方が多いのでしょうか?
藤井:傾向としては、技術を突き詰める「スペシャリスト」の道を選ぶ方が比較的多いですね。これは、自社プロダクト開発ならではの特徴かもしれません。お客様の課題を自分たちの技術でどう解決するか、プロダクトをどう良くしていくかということに強いやりがいを感じるメンバーが多く、自然とそのようなキャリアを選ぶケースが多い印象です。
一方で、私のようにSIer出身で、プロジェクトを動かすことに面白みを感じる人は、「マネジメント」の道に進むこともあります。
どちらの道が優れているというわけではなく、ラクスでは個人の志向性に応じてキャリアを選択できるようにしています。マネジメントとスペシャリスト、いずれのキャリアパスも用意されており、それぞれの志向に合った形で成長していける環境だと考えています。
今後の開発を通じて、エンジニアはどのような役割を担い、どのようなスキルを磨いていけると考えていますか?
藤井:今後、「楽楽クラウド」各プロダクト間の連携をさらに強化していく予定です。アーキテクチャが異なるプロダクト同士をどうつないでいくか、APIをどのように設計するかといった技術的な挑戦はもちろん、他部署のエンジニアと連携しながら最適な形を模索していく経験は、エンジニアとして大きな成長の機会になるはずです。
また、AIのような新しい技術をプロダクトに組み込んでいく経験も積むことができます。単一のプロダクトだけに向き合うのではなく、事業全体を見渡しながら技術的な意思決定に関わっていく。
そうした経験を通じて、技術力だけでなく、ビジネス視点や他社と協働する力も養われていくと考えています。そうした経験を重ねることで、エンジニアとしての専門性を深めながら、より広い視点でプロダクトや事業に関われるようになる環境だと感じています。
「会社のリアルをすべて話す」未来の仲間へのメッセージ

藤井様がご自身の転職活動時、多くの企業の中から最終的にラクスを選んだ決め手は何でしたか?
藤井:正直に言うと、当時はラクスが何をやっている会社なのか、よく分かっていませんでした(笑)。ただ、面接の場で感じた「誠実さ」が最終的な決め手になりましたね。「入社後に後悔してほしくないから、聞きたいことは何でも聞いてください」と言われ、本当に包み隠さず会社のリアルを話してくれたんです。
他の企業では、やり取りが少し形式的に感じられる場面もありましたが、ラクスでは一人の人間として真摯に向き合ってくれていると感じました。この会社なら、自分のキャリアについてしっかり考えながら進んでいけそうだと感じたことが、大きかったですね。
この「オープンな対話」を重んじる文化は、入社した今も変わっておらず、組織の風通しの良さにつながっていると感じています。
SIer時代と現在を振り返って、「顧客志向」という考え方にどのような違いを感じていますか?
藤井:SIer時代は、お客様の要望に応えることが、重要な役割の一つでした。一方でラクスでは、プロダクトを提供する立場として、お客様自身も気づいていない潜在的な課題を掘り起こし、プロダクトを通じて解決策を提案していくことが求められます。
単にお客様の言うことを聞くだけでなく、その一歩先を考えて価値を提供する。それがラクスにおける「顧客志向」だと考えています。
開発現場でも「なぜこれを作るのか?」という問いが常に飛び交います。その機能が本当にお客様の業務改善や成果につながるのか、ビジネスにどう貢献するのかを全員が自分ごととして考える文化が根付いています。
技術的な挑戦の先に、常にお客様の成功がある。その実感を得られることが、自社プロダクト開発ならではの醍醐味ですね。
最後に、「楽楽販売」に興味を持っているエンジニアの皆さんへメッセージをお願いします。
藤井:もし少しでもラクスに興味を持っていただけたなら、あまり構えずに、まずは一度お話しできれば嬉しいです。
面接は、お互いのことを知るための対話の場だと考えています。私たちが一方的に選ぶのではなく、あなたにも私たちのことをしっかりと見極めてほしい。その上で「一緒に働きたい」と思っていただけたら、これほど嬉しいことはありません。
白井:「楽楽販売」は、AI活用など新しい取り組みにも挑戦しながら、プロダクトを継続的に育てているプロダクトです。自分たちの手でプロダクトをより良くし、その結果としてお客様のビジネスに貢献していく。そうした経験を通じて、ご自身の成長とプロダクトの成長に向き合える環境だと思っています。皆さんとおお話しできるのを楽しみにしています。
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