企業インタビュー|キッカケエージェント

進化するAIの最前線。未知の領域に線を引かず正解を見つけ出すバックエンドエンジニアの面白さ

進化するAIの最前線。未知の領域に線を引かず正解を見つけ出すバックエンドエンジニアの面白さ

最終更新日:2026.09.16

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サイバーエージェントグループのAI研究基盤を活かし、エンタープライズ向け自社AIプロダクト「AI Worker Platform」を進化させ続ける株式会社AI Shiftの「バックエンドエンジニア」。コーディングエージェントを使用して実装工数を従来の2割にまで削減し、より高度な設計や品質保証といった業務に挑んでいます。

今回は開発責任者の山口様に、AIの進化によって変化した開発現場のリアルや、バックエンドの枠にとらわれずに機能単位の開発をやり切るスピード感、そして未来の仲間に向けたメッセージを伺いました。

自社AIプロダクトを最前線で育てるバックエンドエンジニアの役割

「AI Worker Platform」が生まれた背景を教えてください。

山口様:もともとは、社内のAIエンジニアが行うPoC(概念実証)を効率化するためのプロダクトとしてスタートしました。

2024年頃、多くのお客様から「AIを使ってこんなことできませんか」と引き合いをいただいたのですが、数が多すぎて社内のAIエンジニアのリソースが全然間に合わない時期があったんです。また、せっかくPoCが成功しても、お客様ごとの要件に合わせて都度ゼロからカスタマイズをしていると管理コストが膨らみます。本番稼働へ持っていくために新しく開発プロセスを組まなければならず、チームの工数を効率的に使えていませんでした。

こうした状況を脱却すべく生まれたのが「AI Worker Platform」です。専門知識がなくてもAIエージェントを直感的に構築でき、PoCから本番稼働までシームレスに行えるようにしました。社内の課題解決から始まったものが、今では企業向けのプラットフォームへと進化しています。

AIプラットフォームとしての、他社にはない強みについてお聞かせください。

山口様:ひとつは、専門知識を持たない方でもAIエージェントを構築・チューニングしやすいUI/UXになっている点です。これは、当社の経験豊富なAIエンジニアたちがPoCを数多く経験して得たナレッジをベースに作っているからこその強みです。

また、お客様ご自身の環境にパッケージとして導入できるポータビリティも大きな特徴です。当初はSaaSとして提供していましたが、「自分たちの環境でデータを管理したい」という企業様の声が増えてきました。各クラウドベンダーのマネージドサービスに依存しすぎず、Google CloudやAWSなど、お客様の環境へ移植できるように設計するのには頭を使いましたが、その分大きな強みになっています。

さらに、サイバーエージェントの研究組織「AI Lab」とナレッジシェアリングをしながら進められるのも、グループならではの強みとして活きています。

AI Shiftのバックエンドエンジニアの役割について教えてください。

山口様:担当する機能を「どう作り、どう安全に動かし、どうユーザーに届けるか」という一連のプロセスに責任を持つのが役割です。具体的には、「AI Worker Platform」の根幹となるAIエージェントの実行・制御基盤の設計や、セキュアなVM環境の構築などを機能単位で担います。

また、長期的に良いプロダクトを育てるためのリアーキテクチャも重要な役割です。過去に非同期実行基盤がプロダクトのスケールに追いつかず不安定になった際に、根幹の設計から作り直したこともありました。直近のアーキテクチャレベルの課題は既に片付いていますが、今後も機能開発だけでなく、システム全体の健全性に責任を持ち続けます。

この責任を果たすためバックエンドに閉じず、必要に応じてフロントエンドやインフラにまで領域を横断して価値を届けるのが実際の役割となります。

山口様

1人がオーナーシップを持ち機能をやり切る、圧倒的なスピード感

バックエンドエンジニアの開発の進め方について教えてください。

山口様:基本のサイクルとしては、月曜始まりの1週間スプリントで開発からレビュー、リリースまでを回しています。

毎週金曜の夕方にプランニングを行い、「この機能は、〇〇さんお願いできますか?」といった形で柔軟に担当をアサインします。設計は誰、実装は誰と工程で分業しない点が特徴です。アサインされた1人が、設計から実装、関係者とのすり合わせまで一貫して責任を持ってやり切ります。

タスクの規模は、1週間で複数終わるものから、1ヶ月かかるものまでさまざまです。実は、AIの登場で実装速度が上がっており、従来の見積もり手法が通用しなくなってきています。そのため、バックログをスプリント単位で厳密に管理するようなことはあえてしていません。

未知の領域が多い市場だからこそ、管理コストをかけるより、1人が裁量とオーナーシップを持って走り切るスタイルでスピードを出しています。

AI活用により、開発工数はどれくらい削減されたのでしょうか。

山口様:肌感覚ではありますが、同じ機能を開発する際の実装工数は従来の10〜20%程度になっていると感じます。特別な使い方をしているわけではないですが、実装時はもちろん、設計フェーズでの壁打ちや、レビュー機能の組み込みなど、一般的にコーディングエージェントを活用している結果です。

この変化によって、エンジニアの役割は大きく変わりました。しっかりと設計さえできれば、実装フェーズはAIが短時間で形にしてくれます。極端に言えば、人間の仕事は「設計」と出来上がったものの「品質保証」くらいにシフトしてきているように感じます。

変化の激しいAI市場で、圧倒的なスピード感で開発を進める工夫を教えてください。

山口様:プロダクトマネジメントとチーム体制、2つの側面で工夫しています。プロダクトマネジメント面では、ハイパースケーラーが提供するAIモデルの凄まじい進化に抗うのではなく、その「波にうまく乗る」プロダクト設計を心がけています。特定のモデルやフレームワークに依存しすぎず、うまく抽象化して最新の技術を素早く組み込めるようにしておくことが、変化の激しい市場に対応する上で大事だと実感しています。

チーム体制の面では、「1人がやり切る」スタンスと、特定の機能に対して個人が過度なオーナーシップを持ちすぎない、という両軸のバランスを保つようにしています。もちろんメンバーによって得意な技術・不得意な技術があるので、ドメイン知識は偏らないように気をつけています。個人の裁量を持ちつつも、いざという時は互いに助け合う体制があるからこそ、未知の領域でも圧倒的なスピードで開発を回し続けられています。

山口様

変化の速い市場だからこそ、月次で認識をすり合わせる評価制度

バックエンドエンジニアの評価制度について教えてください。

山口様:ベースとなる評価はサイバーエージェントグループの基準に則っており、現場での具体的な目標設定と振り返りは「月次」のサイクルで行っています。

というのも、このAI市場はとにかく進化のスピードが速いです。もちろん会社として半期ごとの目標も立ててはいるのですが、それを日々の開発のアクションプランに落とし込んだとき、半年後に自分たちが一体何を作っているのか、正直読めない部分も多いんです。

そのため、1on1を通じて月次で細かく目標をすり合わせていく方が、会社からの期待値とのズレがなくなり、結果的にメンバーも安心して開発に打ち込めます。業務に関係のない無駄な評価指標は設けず、成果目標を重視しているため、純粋に「どうすればプロダクトが良くなるか」という本質的な開発に集中できる環境になっていますね。

変化の速い市場で、エンジニアとして成長するための仕組みについてお聞かせください。

山口様:あらかじめ決められた座学の研修をこなすというよりは、現場にある「生の教材」に直接触れながらキャッチアップしていくスタイルを採用しています。自走してスムーズにオンボーディングできるメンバーが多かったため、この実践的なアプローチが基本になっています。

AIの進化が速いこの領域では、当社のコードベース自体が価値のある教材だと考えています。優秀なメンバーたちがモダンなアーキテクチャを用いて日々試行錯誤しながら書いたコードなので、それらを読み解くだけでも、AI開発の実践的な知見を吸収していただけるはずです。

もちろん、「ここをフォローしてほしい」「キャッチアップの時間を取ってほしい」と声を上げていただければ、全力でサポートする環境は整っています。自分からアクションを起こせる方にとっては、魅力的な学習環境を提供できていると自負しております。

バックエンドエンジニアのキャリアパスについて教えてください。

山口様:3人でスタートした本組織も、現在ではメンバーが増え、サブチームに分けられる規模にまで成長してきました。それに伴い、エンジニアのキャリアの選択肢も広がっています。

最初はメンバーとして得意領域から成果を出していただきますが、その後のキャリアパスは本人の意向次第です。ピープルマネジメントを担うチームリーダーや、技術を極めるテックリードへの道はもちろん用意しています。

また、私自身が現在PdM、EM、開発者を兼務しているように、技術者目線を持ったPdMというロールに挑戦することも大歓迎です。

年齢や社歴に関係なく、やりたいと手を挙げた人には裁量をお任せするカルチャーです。自分の強みを活かして開発をやり切りながら、将来的にチームやプロダクトを牽引するポジションへとステップアップしていただきたいですね。

プロダクトへの貢献という共通認識が、組織の枠を超えた議論を生む

ビジネスサイドと連携し、顧客の声をプロダクトへ反映する仕組みを教えてください。

山口様:週に1回、FDE(Forward Deployed Engineer)やCS(カスタマーサクセス)のメンバーと、エンジニアが直接議論する会議体を設けています。

FDEはお客様の現場で実際に「AI Worker Platform」を活用して課題解決を行っているため、「ここが使いづらい」「こういう機能が欲しい」といった生きたユーザーボイスを直接届けてくれます。その場で「こうすれば実現できるのではないか」「その機能は本当に必要なのか」といった会話を交わしています。

席も近いため、会議以外の場面でも「この要望、どう開発を進めればいいか」と気軽に相談し合える距離感です。現場の課題感とエンジニアの技術的な視点を常にすり合わせることで、顧客が本当に求める価値をスピーディーにプロダクトへ反映できる仕組みになっています。

他チームとの連携がスムーズな理由についてお聞かせください。

山口様:前提として、当社のカルチャーステートメントにある「感謝とリスペクトを忘れない」がメンバー間に浸透していることが大きいです。

全員の根底に「良いプロダクトを作りたい」という共通目標があるため、意見が対立しそうな難しい議論になったとしても決して対話から逃げません。役職や立場に関係なく、プロダクトを良くするために必要なことへ正面から向き合うスタンスがチーム全体に共有されています。

また、ビジネスサイドのレベルが高いことも理由の1つです。FDEがお客様の要望を技術的な要件に一度整理した上でプロダクトチームに連携してくれるフローも機能しているため、部署間の摩擦はありません。互いの専門性をリスペクトし、同じ目標に向かって率直に話し合える文化が連携の土台になっています。

業務以外でも信頼関係を構築できるような環境があるのか、教えてください。

山口様:業務外でのコミュニケーションも活発です。クラブ活動などはサイバーエージェントグループ全体で行っているものがあり、AI Shift単体でも交流の場が設けられています。月に1回は全社での集まりがありますし、チーム単位でもよく飲みに行っています。

特徴的なのは、役職や年齢の壁が全くないことです。組織内には20代の若手から、30代、40代のベテラン、そして役員陣もいますが、フラットに飲みに行ける関係性が築けています。普段から年齢差を感じることはほとんどなく、誰が何歳なのか分からないくらいフランクな雰囲気です。

こうした業務外での気さくな交流があるからこそ、いざ仕事で難しい判断や議論が必要になった際にも、お互いを信頼して率直に意見をぶつけ合える良い関係性が作れているのだと思います。

入社2ヶ月でコア機能に挑戦も。未知のAI市場を共に切り拓こう

入社2ヶ月でコア機能を任されるような、アサインの裁量について教えてください。

山口様:新しいメンバーには、まず「Good First Issue」と呼ばれる小さめのタスクから着手していただきます。当社の開発サイクルやドメイン知識に慣れてもらうためで、様子を見ながら、徐々に大きなタスクへと移行していく流れです。

オンボーディングの進み具合には個人差があります。実際、2ヶ月目でかなり大きな機能開発のタスクを担えるようになったメンバーもいます。ビジネスサイドのメンバーと直接会話しながら、自分自身で要件を固めてリリースまで見事にやり切ってくれたんです。

年齢や社歴に関係なく、本人のスキルと意欲さえあれば、入社直後からコア機能の開発をお任せできる裁量があります。まずは得意領域でバリューを発揮しつつ、徐々に自分の幅を広げていきたい方にマッチする環境です。

AI Shiftで活躍しているエンジニアに共通点があればお聞かせください。

山口様:年齢やバックグラウンドはさまざまで、若手から経験豊富なベテランまで在籍しています。私自身も前職は15人規模のスタートアップでしたし、過去の経験値や経歴の規模感で何かを測ることはしていません。

共通しているのは「セルフモチベートできる」というマインドセットです。一人ひとりに大きな裁量をお任せする環境だからこそ、任されたタスクを最後まで責任を持ってやり切る力や、誰も手をつけていない落ちているボールを積極的に拾いにいく姿勢が求められます。

逆に、「自分はここまで」と業務範囲に線を引いてしまう方は、当社の環境に合わないかもしれません。未知の領域や触れたことのない技術に対しても恐れずに飛び込み、自分からアクションを起こして開発に喜びを見出せる人が、結果的にこの変化の激しい市場で大きく活躍しています。

最後に、バックエンドエンジニアへのチャレンジを検討している方へメッセージをお願いします。

山口様:生成AIのマーケットは信じられないほど進化が速く、1年後に自分たちがどんなプロダクトを作っているのかすら正確には読めません。だからこそ最前線で「何が正しいのか」をもがきながら探し求め、自分たちの手で正解を見つけ出していく過程はやりがいにあふれています。

FDEやCS、Salesメンバーとも密に連携を取り、AIを使いこなしながらスピード感を持った開発サイクルを回し、中長期的にプロダクトをより良くしていくことにコミットできる環境です。また、プロダクトへのコミットを通じて自身も大きく成長できる環境だと感じています。私自身この数年間で技術的にもキャリア的にもとても成長できたと感じています。

生成AIマーケットの変化の速さ、不確実性を楽しみながら、最前線を一緒に走って行ける仲間をお待ちしています。

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IT菩薩モロー

この記事を監修した人

毛呂 淳一朗 「IT菩薩モロー」

YouTubeでITエンジニアの転職やキャリアに関する情報を発信するキャリア系インフルエンサー。YouTubeチャンネル登録者数は3.4万人(2025年4月時点)。

エンジニア採用担当としての経験も豊富で、企業が求める人材や視点も熟知。その経験を活かし、現在はITエンジニア特化のキャリア支援企業「キッカケエージェント」を立ち上げ、月間120人のITエンジニアと面談を行う。エンジニアのキャリア志向と企業課題の解決を両立する最適な人材紹介を提供。

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