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SESとSIerの違いを徹底比較!働き方の特徴やメリット・デメリットを解説

SESとSIerの違いを徹底比較!働き方の特徴やメリット・デメリットを解説

最終更新日:2026.08.24

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SESの働き方に不満があってSIerへの転職を検討していたり(またはその逆)、今後のキャリアパスでどちらが自分に合っているのか悩んでいたりするエンジニアも多いSESが「エンジニアの稼働時間と専門スキル(労働力)」を提供して報酬を得るのに対し、SIerは「稼働するシステム(成果物)」を納品することで報酬を得る仕組みですでしょう。そもそもSESとSIerの違いがよく分かっていない、という方もいるかもしれません。

本記事では、IT業界固有の構造であるSESとSIerの違いについて、掘り下げて解説します。SES、SIerを比較し、それぞれの特徴、メリットやデメリット、ミスマッチを回避する方法、ステップアップ戦略などの情報をお伝えしていきます。

SESとSIerの違い

SESとSIerの違い

SESは「技術力」を提供し、SIerは「成果物」を納品する

SESとSIerの根本的な違いは、「何を売って対価を得ているか」というビジネスモデルにあります。SESが「エンジニアの稼働時間と専門スキル(労働力)」を提供して報酬を得るのに対し、SIerは「稼働するシステム(成果物)」を納品することで報酬を得る仕組みです。

どちらもIT領域の課題解決をするというミッションは共通しているものの、ビジネスの根幹が異なっており、この差がエンジニアの働き方や年収、方向性にも影響を及ぼします。企業は表向きにはアピールしないので、ホームページや求人情報などを見ても、その会社がSIerなのかSESなのか判別がつきにくいことがあります。

SESは「プロセスの遂行」がミッションとなり、SIerは「完成の全責任」を負う

SIerの法的な契約形態は「請負契約」で、期日までにシステムを納品する義務があるのに対し、SESでは労働力を対象として特定の業務を委託/受託する「準委任契約」という契約が基本です。契約期間内に適切な業務を行うことが求められるものの、成果物の完成義務、提出義務はありません。

SIerは会社、チームとして「納期通りにシステムを完成させなければならない」というミッションのもと、重いプレッシャーや責任を背負うことになります。対してSESは、労働力、つまりエンジニア個人の質や技量が問われ、パフォーマンスが低いと判断された場合は納品前に契約を切られたりする可能性もあるでしょう。

SESは「開発工程」を支え、SIerは「上流工程」を担うことが多い

IT業界では一つの案件に対し、一次請け、二次請け、と複数社が絡み合う多重請け構造が一般的になっています。SIerは直接顧客から案件を受託する元請け(プライム)のポジションに立ちやすいですが、SESは二次請け、三次請け以降として発注され、労働力を提供して現場の開発工程を支える構造になります。

この取引の流れのことを商流といい、それがそのままエンジニアの年収水準や担当できる業務フェーズ(上流か下流か)の差を生み出している現状があります。商流が浅いSIerは、全体の進行管理を担うポジション(上流工程)に立ちやすい一方、SESは手を動かして実際にコーディングやテストに携わる(下流工程)ことが多いです。マージンの中抜きがされないので、上流工程のエンジニアの方が年収水準も高めになります。

【比較表】ひと目でわかるSESとSIerの主要項目まとめ

比較項目SES(システムエンジニアリングサービス)SIer(システムインテグレーター)
提供価値技術力・労働力の提供システムの構築・納品
主な契約形態準委任契約請負契約
報酬の発生条件エンジニアの稼働時間システムの完成・納品
指揮命令権所属企業(※客先にはない)所属企業(自社のPMなど)
働く場所クライアント先(客先常駐)自社、またはクライアント先
商流の立ち位置下請け(2次〜4次請け以降が多い)元請け〜2次請けが多い
年収の傾向商流が深いと上がりにくい元請けに近いほど高水準になりやすい
業務の傾向実装、テスト、運用保守など下流工程要件定義、設計、進行管理など上流工程

SESとは

SESとは

SESは「エンジニアの技術力・労働力」を提供するサービス 

SESはSystem Engineering Serviceの略で、「技術力を提供するサービス」という意味合いになります。SES企業にとって技術力の提供とは主に、自社所属のエンジニアをクライアントに送り込む、いわば労働力の提供です。

エンジニアがクライアント企業のプロジェクト(現場)に常駐し、設計やコーディングといった仕事を行い、その労働時間によってSES企業の収益が発生します。

契約は「準委任」が基本で、客先からの直接指示は違法となる 

SESがエンジニアをクライアントに提供する際、法的な契約形態は、準委任契約が基本です。準委任契約の特徴として、以下があげられます。

  • 契約金額は業務内容や工数によって月単位で決められることが多い(人月単価)
  • 成果物に対する責任は負わない
  • 仕事の指揮命令権は、雇用主側にある

このうち最もトラブルが多いのが、指揮命令権の問題です。エンジニアに対しクライアント側から直接業務の指示は出せません。しかし客先常駐で働く中で、それが守られないことがあります。その場合は、形式的には準委任なのに実態は雇用している、いわゆる「偽装請負」と呼ばれる違法行為に該当してしまうため、注意が必要です。

違反項目NG行為
業務指示の実行クライアント担当者がSESエンジニアに直接仕事の指示をしているクライアントのPMから直接タスクが割り当てられる
勤怠管理の実施クライアントがSESエンジニアの勤怠を管理している業務シフトや残業指示がクライアントから直接出ている
雇用元の管理責任者の不在管理責任者が選任されておらず、エンジニアが単独で現場に常駐している契約書の作業者が管理責任者を兼任して客先に単独常駐している
組織への組み込みクライアント企業の従業員と区別なく管理されるクライアント企業の組織図にメンバーとして記載されている


クライアントと同様に、エンジニアもこれらのルールを理解しておきましょう。客先に常駐していると、つい自分もクライアント企業に所属しているような感覚に陥りやすいですが、あくまでも指揮命令権は自社側にあることを念頭に置き、偽装請負に巻き込まれないよう自衛が必要です

SIerとは

SIerとは

SIerはシステム開発を「要件定義から運用まで一括で請け負う」企業

SIerはSystem Integratorの略称です。Integrationは統合という意味を持ち、SIerとは顧客の要望に応じてシステムに関する要件定義・設計から開発・テスト・運用保守まで様々な仕事を一括して請け負う企業のことを指します。顧客といっても、個人がSIerに何かを依頼することはなく、業態はBtoBが殆どです。

システム開発の現場における多重請け構造のチーム編成において、SIerはその中核を担います。顧客企業からの依頼(案件)に対して元請け(プライム)に立つ大手SIerが中心になってプロジェクト全体のマネジメントを担い、設計や開発といった実装を更に下請けのSIerまたはSESに発注するといったビジネスモデルが一般的です。

成り立ちによって5種類に分類される 

SIerの企業は主に5種類に分類され、それぞれ特徴が異なります。

系統特徴企業例
メーカー系巨大ハードウェアメーカー本体、もしくは枝分かれしたIT企業。官公庁やメガバンク等の大規模案件を請負う富士通株式会社、日本電気株式会社、株式会社日立システムズ、NECソリューションイノベータ株式会社など
ユーザー系銀行や商社など親会社のシステム開発部門が独立して設立されたIT企業。親会社のドメインでのシステム開発(内販)がメイン伊藤忠テクノソリューションズ株式会社、日鉄ソリューションズ株式会社、株式会社日本総合研究所など
独立系親会社が存在せず、独立した資本のIT企業。あらゆる製品、ソリューションを自由に提案する株式会社大塚商会、株式会社DTS、SCSK株式会社など
外資系海外のIT企業が設立した日本法人。海外のシステムの導入や、日本企業の海外進出支援といったグローバルな案件が多い日本IBM株式会社、SAPジャパン株式会社など
コンサル系コンサルティングファームでありながら、実際のシステム開発・構築、運用保守まで請け負っている企業アクセンチュア株式会社、合同会社デロイト トーマツなど


メーカー系は大規模プロジェクトの上流工程に携われ、福利厚生も厚く年収レンジも高いですが、分業が進んでおり、配属によって技術環境が大きく変わることがあります。

ユーザー系は年収も安定していますが、専門知識がつきやすい反面、スキルセットやドメイン知識が特定業界に偏ることがあります。

独立系は年収レンジもやや低めで実力主義、成果主義の企業も多く、安定度はユーザー系に比べて劣ります。ただし、若手でも責任のある仕事についてスキルを積めるチャンスがあり、キャリアの幅も広がりやすいです。

外資系は仕事がハードで安定性に欠けますが、年収レンジが高めかつ実力主義なので、成果を出せばかなりの高年収が期待できます。グローバル基準のスキルが身につき、やりがいのある仕事につけるでしょう。

コンサル系はクライアントに近い最上流の位置で課題解決に直結する仕事ができ、マネジメントスキルも得られますが、外資系と同様スピードと成果を求められるハードな労働環境といえます。

このように一口にSIerといってもタイプごとに、年収レンジ、ワークライフバランス、仕事内容などに差があるので、企業を選ぶ際に理解しておく必要があります

SESとSIerのメリット・デメリット

SESとSIerのメリット・デメリット

【SES】多様な現場を経験できる反面、特定の下流工程に固定されるリスクがある 

SESのメリットとして、様々な業界の案件を経験することができるので、スキルの幅や人脈を広げられる点があげられます。常駐先ごとに文化やルールが異なりますが、それも楽しめるくらい環境適応力が高い人なら、SESは向いているといえます。

2~3年目までにチームリーダーを経験したり、設計や要件定義といった上流工程に携わったりと、年齢に見合った適切なステップアップができれば、キャリアの選択肢の幅も広がり、高年収のエンジニアへの道が拓かれるでしょう。

しかし、SESでは配属されるプロジェクトの運に左右されやすく、場合によっては特定の下流工程(運用、テストなど)に固定されてしまい、キャリアが停滞してしまうリスクもあります。商流が深く、成長機会に乏しい企業を選ばないようにするのがポイントです。

【SIer】管理能力が身につき高待遇を狙える一方、実装から離れるリスクがある

SIerのメリットは、充実した経営基盤のもと安定性が高い企業が多く、プロジェクト管理能力が身につき、高待遇が狙える魅力にあります。技術だけにこだわるのではなく、将来的に上流工程やマネジメントを志向している人には向いているでしょう。

順調に昇進して管理職、マネージャークラスになれば、年収1000万円台も夢ではありません。将来は役員クラスへの昇進、また、調整力やマネジメント経験を活かしてコンサルへのキャリアチェンジや、ドメイン知識を活かして事業会社のDX推進部門への転職も選択肢に入ります。


一方で、開発規模が大きくなるほど実際のプログラミング(実装)に触れる機会が減少し、ドキュメント作成や管理業務に偏るリスクがあります。また、金融や官公庁などでは今だにレガシーシステムが動いていることが多いので、モダンスキルが身につかないこともあるでしょう。前章で紹介したように、企業タイプによって環境が違うため、ミスマッチを防ぐことが重要です。

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まとめ:自分の現在地を客観視し、次の一歩を踏み出そう

SESとSIerではビジネスモデルにおいて大きな違いがあります。単なる契約形態にとどまらず、商流や積める経験の質に直結するので、エンジニアにとっては環境面や将来のキャリア形成が左右されます。SIerの中でもタイプによって特徴が違うので、どの系統の企業を選ぶかも重要になるでしょう。

本記事を参考に、自分の現在のポジションを客観的に把握したうえで、現在の職場に留まるべきか、それとも外の世界を見るべきか再考してみてください。迷うようであれば、プロに相談するのが得策です。自分の現状のスキルと市場の評価のギャップを知るため、まずはオンラインで気軽に相談・情報収集から始めてみませんか?

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IT菩薩モロー

この記事を監修した人

毛呂 淳一朗 「IT菩薩モロー」

YouTubeでITエンジニアの転職やキャリアに関する情報を発信するキャリア系インフルエンサー。YouTubeチャンネル登録者数は3.4万人(2025年4月時点)。

エンジニア採用担当としての経験も豊富で、企業が求める人材や視点も熟知。その経験を活かし、現在はITエンジニア特化のキャリア支援企業「キッカケエージェント」を立ち上げ、月間120人のITエンジニアと面談を行う。エンジニアのキャリア志向と企業課題の解決を両立する最適な人材紹介を提供。

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