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ネットワークエンジニアが「やめとけ」と言われる理由とキャリア戦略

ネットワークエンジニアが「やめとけ」と言われる理由とキャリア戦略

2025.10.31

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「ネットワークエンジニアがやめとけって言われる理由って何?」

「ネットワークエンジニアが気になってるんだけど、キャリアが心配」

このような悩みを抱えている人は多くいます。ネットワークエンジニアに対するネガティブな意見を見て、不安を抱くのも無理はありません。

そこで今回は「ネットワークエンジニアがやめとけと言われる理由」を紹介します。「ネットワークエンジニアに向いている人の特徴」や「キャリア戦略」についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。

ネットワークエンジニアが「やめとけ」「きつい」と言われる理由

ネットワークエンジニアが「やめとけ」「きつい」と言われる理由

年収が低めで上がりにくい

ネットワークエンジニアの中でも、運用・保守業務が中心のポジションでは目に見えた成果を出しにくく、期待するほどの年収アップが見込みにくい傾向にあります。他のエンジニア職と比べて給与水準が低く設定されやすくモチベーション維持も難しくなるでしょう

また、マニュアル化された定型業務が多いため、誰でもできる仕事として評価されやすい傾向にあります。そのため、同年代の他職種エンジニアとの収入格差が広がり、将来への不安を抱きやすい業種です。

勤務時間が不規則になりやすい

ネットワーク障害は24時間いつでも発生する可能性があり、夜間や休日の緊急対応、深夜でもメンテナンス作業が起こり得ます。そのため、生活リズムが不規則になり体調管理が難しくなるのも、ネットワークエンジニアがやめとけと言われる要因の1つです

特に、企業のネットワークは業務時間中に停止させられないため、定期メンテナンスや機器交換が深夜帯に実施されるケースもあります。オンコール対応として待機を求められると、休日でも障害発生の連絡で急遽出勤する場面もあるでしょう。

データセンター勤務がつらい

ネットワークエンジニアが主に作業するデータセンターは騒音が大きく、温度管理が厳しい環境です。物理的な機器作業や配線整理などで体力を使う作業が多いため、長時間の立ち作業による身体的負担が大きくなってしまいます。

特に、サーバーやネットワーク機器が置いてある部屋の室温は18~22℃程度に保たれているのもあり、夏でも長袖が必須です。この環境で作業をしていると、30代後半にもなると体力的につらいと感じ始め、ネガティブな印象を持つようになります。

学習の時間を確保しにくい

ネットワークエンジニアは、運用業務やトラブル対応に追われて業務時間が長くなりがちです。そのため、新技術の学習や資格取得のための勉強時間を確保しにくくなり、スキルアップが停滞する可能性があります

特に、日中は監視業務や定型作業、夜間は緊急対応やメンテナンス作業に追われていると、自己学習の時間をなかなか取れません。休日も疲労回復に充てざるを得ず、結果として市場で求められるスキルセットから取り残され、転職時に運用しかできないと評価されてしまうのです。

資格の取得が難しい

ネットワークエンジニアは業務の性質上、まとまった資格の勉強時間を取りにくい特性があります。専門的な知識が必要かつ試験範囲が広いネットワーク系の資格を取得するには、相当な学習時間と努力が必要になるでしょう。

しかし勤務が不規則になりやすいために計画的な学習時間の確保が難しいうえ、資格取得が年収アップに直結しにくいのが実状です。資格取得までのモチベーション維持はどうしても難しくなります。結果として、転職市場での競争力が低下する悪循環に陥りかねないため、やめとけと言われています。

トラブル対応がつらい

ネットワーク障害は企業の業務全体に影響を与えるため、迅速な原因究明と復旧が求められます。ネットワークが停止すると、社内の全社員が業務できなくなり、1分ごとに数百万円の損失が発生するケースもあるでしょう。

そのため、対応にあたるネットワークエンジニアには、大きなプレッシャーがのしかかります。判断ミスをすればさらに事態を悪化させるリスクもあり、解決まで極度の緊張状態が続きます。

こうした過度なストレスが、やめとけと言われる要因の1つです。

人間関係の構築が必要になる

ネットワークエンジニアの業務は、サーバーエンジニアや開発者、顧客など多様な関係者と協力して作業を進める必要があります。技術力だけでなく、良好な人間関係を構築するコミュニケーション力が必要です

特にネットワークは他のシステムと密接に連携するため、サーバーチームやアプリケーション開発チームなど、複数の関係者との調整が日常的に発生します。障害発生時には各チームの責任範囲を明確にし、協力して原因を究明していかなくてはいけません。

人間関係の構築が苦手な人にとって、大きなストレスになるでしょう。

無理にでも目標を設定しなければいけない

ネットワークエンジニアの仕事はルーティンワークが多く、目標設定しにくい面があります。キャリアアップのためには資格取得や新技術習得などの明確な目標設定が必要ですが、無い場合は捻り出さなくてはいけません。

特に監視業務や定型的なトラブル対応が中心となる運用業務では、目標設定が困難です。しかし、人事評価制度では具体的な目標設定と達成が求められるため、実態に合わない形式的な目標を無理やり作らざるを得ない場面に遭遇するでしょう。

ポジションによってはスキルが身に付かない

ネットワークエンジニアは、監視業務やルーティンワークが業務の中心となりやすい職種です。多くの場合で基本的な作業繰り返すため、設計や構築などの上流スキルを習得する機会がほとんど無く、市場価値の向上が難しい傾向にあります

例えば、監視画面のチェックやアラート対応といった下流業務だけを担当していると、上流工程の経験を積めません。結果、「5年以上働いても監視しかできない」「マニュアル通りにしか動けない」などと評価されてしまいます。

ネットワークエンジニアが「やめとけ」「きつい」と言われても働くメリット

ネットワークエンジニアが「やめとけ」「きつい」と言われても働くメリット

需要が高く将来性がある

企業のデジタル化やクラウド移行に伴い、ネットワークインフラの重要性は増しています。5GやIoTの普及により、今後もネットワークエンジニアの需要は高い状態が続くでしょう

近年は、テレワークの普及によって企業ネットワークの再設計需要が増加しています。さらに、クラウドサービス利用拡大に伴い、オンプレミスとクラウドを統合したハイブリッドネットワーク設計のできるネットワークエンジニアは、貴重な人材としてますます重宝されるでしょう。

スキルと経験次第で年収が高くなる

ネットワークエンジニアは、運用業務だけでなく設計・構築スキルを身に付け、上流工程を担える存在になれれば、高単価の案件にも携われるようになります。大幅な年収アップも夢ではありません。

また、ネットワークアーキテクトとして企業の通信インフラ全体を設計できるレベルに達すれば、さらなる年収アップも可能です。スキル投資を続けていけば、他職種と比較しても遜色ない高収入を実現できるでしょう。

様々なガジェットを扱える

ネットワークエンジニアは、業務上、最新のネットワーク機器やルーター、スイッチなど多様なハードウェアに触れる機会があります。ガジェット好きには理想的な環境と言えます。

さらに、新製品のファームウェアアップデートや高性能なスイッチの設定など、一般には触れられない高額な業務用機器を日常的に扱える点も魅力です。

機械いじりや新しいテクノロジーが好きな人にとって、仕事をしながら最新ガジェットの知識を深められる環境は、他職種では得難い楽しみになるでしょう。

転職・独立しやすい

ネットワークスキルは業界を問わず必要とされる普遍的な技術です。そのため、ネットワークエンジニアとして経験を積めば転職市場での評価が高くなる可能性があります。フリーランスとして独立する際も、安定した案件獲得に期待できます。

ITインフラが当たり前となった今日において、製造業や金融、医療などあらゆる業界でネットワークインフラが必要になりました。今やネットワークはどの企業にも必須のインフラです。景気変動の影響を受けることなく、長期的なキャリア形成ができるでしょう。

ネットワークエンジニアに向いている人の特徴

ネットワークエンジニアに向いている人の特徴

責任感がある人

ネットワークの安定稼働は、企業の事業継続に直結します。そのため、自分の業務が持つ重要性を理解し、確実に作業を遂行できる強い責任感を持つ人は、ネットワークエンジニアに向いています

ネットワーク設定に小さなミスがあると、それがきっかけになって全社的なシステム停止を引き起こし、数千万円の損失につながる可能性があります。そのような事態にならないためにも、設定変更時のダブルチェックやトラブル発生時の迅速な報告など、一つひとつの作業を確実に行う責任感が必要です。

継続して学習できる人

ネットワーク技術は常に進化しているため、新しいプロトコルやセキュリティ対策を継続的に学習し続けられる人は、ネットワークエンジニアに向いています

特にネットワーク技術は、数年単位で大きく変化します。10年前の知識だけでは現場で通用しないため、技術書を読んだり、オンライン研修を受講したりといった継続的な自己学習が必須です。

そのため、新しい技術を学ぶのが楽しいと感じられる人は、ネットワークエンジニアとして長く活躍できます。35歳までに言語・フレームワークレベルの技術選定に携われるレベルの知識習得ができていると、より活躍できる幅が広がるでしょう。

自己解決能力が高い人

ネットワーク障害が発生した際、上司や先輩がすぐに助けてくれるとは限りません。そのため、トラブル発生時に冷静に状況を分析し、ログやドキュメントを調査して自力で原因を特定し解決できる問題解決能力の高い人も、ネットワークエンジニアに向いています

特に深夜や休日の緊急対応では、1人で判断し対処するケースもあります。そうした際も自己解決できる能力が必要です。

不明点を自分で調べて解決する癖がついている人は、ネットワークエンジニアの業務も苦にならないでしょう。

コミュニケーション能力が高い人

ネットワークエンジニアは、技術的な説明を非エンジニアにわかりやすく伝え、関係者と円滑に協力して作業を進めていかなくてはいけません。そのため、コミュニケーション能力は、ぜひ身に付けておきたいスキルの1つです。

技術力が高くてもコミュニケーションが取れないと、関係者との衝突や誤解が生じ、プロジェクトが停滞してしまいます。そうならないためにも、人とのコミュニケーションが苦にならない人ほど、ネットワークエンジニアに向いています。

ネットワークエンジニアがきつい状況を抜け出すためのキャリア戦略

ネットワークエンジニアがきつい状況を抜け出すためのキャリア戦略

開発・技術のプロを目指す

クラウドエンジニアへ転職する

オンプレミスのネットワーク知識を活かしてクラウドネットワーク設計・構築に特化し、より需要が高く年収水準の高いクラウドエンジニアへキャリアチェンジする方法があります。

例えば、従来のルーター・スイッチの知識は、VPC設計やサブネット分割、ルートテーブル設定など、クラウドネットワーク構築の基礎として活用できます。併せてAWS認定アドバンストネットワーキングといった資格を取得すれば、クラウドネットワーク専門家として活躍できるでしょう。

自社開発の社内SEへ転職する

運用・保守の経験を活かして自社開発企業の社内SEに転職し、安定した勤務環境で自社サービスのインフラ管理や改善に携わるキャリアもあります。主にワークライフバランスを改善したい人におすすめです。

ネットワークエンジニアとして身に付けたネットワークの運用経験は、社内SEとして社内ネットワークの構築・管理やVPN接続などの幅広い業務で高く評価される傾向にあります。

特に、トラブルシューティング能力と24時間対応の経験は、重宝されるでしょう。

インフラコンサルタントへ転職する

ネットワーク構築の実務経験を基盤として、企業のIT戦略立案やインフラ最適化を提案するコンサルタントに転身するキャリアもあります。身に付けた知識と技術を使って、より上流工程で高い付加価値を提供できるようになるでしょう。

特に、ネットワークエンジニアとして培った現場でのネットワーク構築・運用経験は、クライアント企業のインフラ課題を実践的な視点で分析し、実現可能な改善策を提案する際に役立ちます

転職エージェントに相談する

ネットワークエンジニアとしてのキャリアに悩んでいる場合は、IT業界専門の転職エージェントに相談してみましょう。ネットワークエンジニアとしての市場価値の評価や、スキルを最大限活かせる転職先を提案してもらいながら、戦略的なキャリア形成を描けるようになります

特に、ネットワークエンジニアの経験は、クラウドエンジニアや社内SE、インフラコンサルタントなど多様な職種で評価される一方で、自分一人では判断が難しい面があります。ミスマッチを防ぐためにも、第三者に相談してみると良いでしょう。

もしどのエージェントに相談するかで迷った際は、キッカケエージェントをご活用ください。キッカケエージェントでは、「転職でのミスマッチをゼロにする」をコンセプトに、ITエンジニアに特化したキャリアアドバイザーが技術力やキャリア、収入、ライフワークバランスなど様々な観点からアドバイスしております。

無料でご相談いただけますので、キャリアに迷っているネットワークエンジニアの方は、ぜひ1度お気軽にご相談ください。

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まとめ

ネットワークエンジニアは、年収の低さや不規則な勤務などの様々な理由で、「やめとけ」と言われる職業です。一方で、高い需要と将来性など、他職種では得難い強みも豊富に存在している職業でもあります。自分の適性に合っていれば、理想的な環境で働けるでしょう。

もし、現状に課題を感じている場合は、クラウドエンジニアや自社開発の社内SEといった職種への転職もおすすめです。転職エージェントにも相談しながら、ネットワークエンジニア経験を最大限活かせるキャリアパスを見つけるところから始めましょう。

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IT菩薩モロー

この記事を監修した人

毛呂 淳一朗 「IT菩薩モロー」

YouTubeでITエンジニアの転職やキャリアに関する情報を発信するキャリア系インフルエンサー。YouTubeチャンネル登録者数は3.4万人(2025年4月時点)。

エンジニア採用担当としての経験も豊富で、企業が求める人材や視点も熟知。その経験を活かし、現在はITエンジニア特化のキャリア支援企業「キッカケエージェント」を立ち上げ、月間120人のITエンジニアと面談を行う。エンジニアのキャリア志向と企業課題の解決を両立する最適な人材紹介を提供。

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