転職ノウハウ|キッカケエージェント

自社開発エンジニアはやめとけって本当?転職で後悔しないポイントを解説

自社開発エンジニアはやめとけって本当?転職で後悔しないポイントを解説

2025.10.24

X (Twitter) でシェアFacebook でシェアはてなブックマーク でシェア

「自社開発エンジニアって、なんでやめとけって言われるの?」

「自社開発エンジニアへの転職を考えているけど、やめとけと言われる」

自社開発エンジニアへの転職を検討した場合、少なからず「やめとけ」と言われることがあります。そうした声を聞いて、転職を迷っている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は「自社開発エンジニアがやめとけと言われる理由」について解説します。「自社開発が向いている人 / 向いていない人」や「SES・受託開発との違い」も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

自社開発エンジニアはやめとけと言われる理由

自社開発エンジニアはやめとけと言われる理由

扱える技術が限定されやすい

やめとけと言われる理由の1つに、自社開発企業では新しい技術に触れる機会が少ない点があります。多くの自社開発企業では特定の技術スタックに長期間依存する傾向があり、一度システムが安定稼働すると、リスクを避けて既存技術を使い続けてしまうためです。

特に歴史のある企業では、レガシーシステムの保守・運用が中心となり、最新のプログラミング言語やフレームワークを導入する機会が限られてしまいます。1つのサービスに深く関わると、特定の技術領域には詳しくなれますが、他の分野のスキルを身に付けにくくなってしまいます。成長するには、自分で勉強していくしかありません。

こうした点から、多様な技術に触れて成長したいと考えているエンジニアにとって、自社開発はキャリアの選択肢を狭めてしまう可能性があるため、やめとけと言われるのです。

サービスの将来性に左右されるリスクがある

自社開発はやめとけと言われる理由には、サービスの将来性に左右されるリスクがある点も挙げられます。会社の命運が特定のサービスやプロダクトに依存しているためです。

そうした経緯から、市場の変化や競合他社の台頭によって主力サービスの売上が急激に悪化した場合、事業撤退や最悪の場合は倒産に至る可能性があります。その企業でしか使われていない独自技術や特殊なシステムに長期間携わっていると、転職時に市場価値の低いスキルしか身についていないリスクも考えられます。キャリアに大きな影響を与えてしまう点から、やめとけと言われるのです。

働き方がハードな場合がある

自社開発企業では働き方がハードな場合がある点も、やめとけと言われる理由です。一部ベンチャーやスタートアップ企業では、サービスを軌道に乗せるために長時間労働が常態化することがあります。深夜や休日の作業も覚悟しておいた方が良いでしょう

また、ユーザーからのフィードバックや市場の変化に応じて急な仕様変更が求められる場合も多く、予定していた作業が大幅に変更される可能性もあります。そのため、ワークライフバランスを重視するエンジニアからすると、自社開発はやめとけとなるのです。

上流工程のスキルを習得しにくい

自社開発をやめとけと言われる理由に、企業の文化や規模によっては、上流工程のスキルを習得しにくい傾向があるという点もあります。自社開発が、主に既存サービスの機能追加や改善といった開発フェーズに集中するためです

多くの自社開発企業では、サービスの方向性や仕様は経営陣や企画担当者が決定し、エンジニアは与えられた要件に基づいて開発をします。顧客との折衝や要件の整理、プロジェクト全体の管理といったスキルを身につける機会が限られ、将来的にプロジェクトマネジメントを目指すエンジニアにとっては、貴重な期間を損失することにもなりかねません。

こうした点から、自社開発はやめとけと言われています。

自社開発エンジニアに向いている人の特徴

自社開発エンジニアに向いている人の特徴

自社のサービスを育てることに喜びを感じる人

自社のサービスを育てることに喜びを感じる人は、自社開発エンジニアに向いています。自社開発企業では、ユーザーの反応を直接見ながらサービス改善に貢献できるためです。自分の仕事が、会社の成長に直結するやりがいを感じられます

また、長期的にサービスを育て上げる過程で技術的な課題解決だけでなく、ビジネス成長への貢献も実感できるため、単なる開発作業以上の達成感も得られるでしょう。

開発以外のスキルも習得したい人

開発以外のスキルを習得したい人も、自社開発エンジニアに向いています。マーケティングや事業企画など、開発以外のビジネス全体に関わる機会が多いためです。業務を通じて、多様なスキルを自律的に学べる環境が揃っています

また、サービスを成長させるために必要な知識を積極的に吸収する姿勢があれば、技術力だけでなくビジネス感覚も同時に身につけられます。将来的に事業責任者やCTOを目指すエンジニアにとって、非常に魅力的な働き方と言えるでしょう。

コミュニケーションが得意な人

コミュニケーションが得意な人も、自社開発エンジニアに向いています。自社開発では、社内の他部署と連携して仕事を進めることが多く、コミュニケーション能力を大いに活かせるためです。

少人数のチームでプロジェクトを進める場面も多く、メンバーの橋渡し役として活躍できるでしょう。コミュニケーションスキルに自信のある方は、自社開発で成功しやすいと言えます。

自社開発のエンジニアに向いていない人の特徴

自社開発のエンジニアに向いていない人の特徴

システム開発だけをしたい人

システム開発だけをしたい人は、自社開発エンジニアに向いていません。自社開発では、純粋な技術開発にのみ専念するのが難しく、サービスの企画やビジネス要件の議論にも積極的な参加が求められるためです

多くの自社開発企業では、エンジニアもプロダクトの方向性を決める会議に参加し、技術的な観点からビジネス戦略に意見を出していきます。ユーザーの声を直接聞いて機能改善を提案したり、他部署との調整業務をしたりすることもあるでしょう。

こうした点から、システム開発のみに専念したい人には、自社開発よりも受託開発の方がおすすめです。

受け身で仕事をする人

受け身で仕事をする人も、自社開発エンジニアに向いていません。自社開発では、自ら課題を見つけて提案したり、新しい技術を自主的に学習したりする能動的な姿勢が求められるためです

多くの自社開発企業では、エンジニアがサービス改善のアイデアを積極的に提案し、技術的な問題解決を主導していくのを期待されています。受け身の姿勢で指示を待つ人にとって、大きな負担となるでしょう。

多様な技術を経験したい人

多様な技術を経験したい人も、自社開発エンジニアに向いていません。自社開発では特定のサービスに集中するため、様々な開発環境やプログラミング言語に挑戦する機会が限られてしまうからです。

多くの自社開発企業では、既存のサービスを安定稼働させることが優先され、使用する技術スタックが固定化される傾向があります。1つのプロダクトを長期間担当するケースも多く、常に新しいプロジェクトに携わりたい人にとっては物足りなさを感じてしまうでしょう。

自社開発・SES・受託開発の違い

項目自社開発SES受託開発
仕事内容自社サービスの開発・運用が中心クライアント企業に常駐し、開発チームの一員として開発支援クライアントからの要望に応じてシステムを設計・開発する
使用するスキル特定の技術スタックに特化する傾向が強いプロジェクトごとに異なるプロジェクトごとに異なる
給与水準・企業の業績や個人の貢献度に応じて変動
・SESや受託開発より高め
・平均的な水準
・スキルや経験によって変動する
・安定した収入
・上流工程になると高水準に期待できる
キャリアパスPdMやCTOなどビジネス寄りのキャリアに強いPMや特定技術領域のスペシャリストPMや特定技術領域のスペシャリスト

仕事内容

自社開発は自社サービスの改善・運用が中心で、ユーザーのニーズに応じた機能追加や既存システムの最適化を行います。一方のSESはクライアント企業に常駐し、その企業の開発チームの一員として開発支援を担当する仕事です。

また、受託開発は依頼されたシステムの開発を1から手がけ、要件定義から設計、開発、テストまでの工程を完結させます。

それぞれ仕事内容が異なるため、転職の際は自分に合っている働き方かどうかが重要になります。

使用するスキル

自社開発では特定の技術スタックに特化する傾向が強く、深い専門性を身につけられる一方で技術の幅が限定されがちです。1つのサービスを長期間担当するため、新しい技術に触れる機会が少なくなりやすいでしょう。

対照的に、SESや受託開発はプロジェクトごとに異なるクライアントや案件に携わるため、多様な技術スキルを経験できる機会が豊富にあります。様々な業界のシステムに関わる中で、幅広い技術知識と適応力を身につけられます。

給与水準

自社開発では会社の業績が好調な場合、ボーナスや昇給で大幅な収入アップが期待できますが、業績不振時には給与の伸び悩みや減額される可能性があります

一方のSESはエンジニア個人のスキルレベルが給与に直結する傾向があり、高いスキルを持つ人材ほど高単価で契約できる業態です。受託開発は安定した収入を得やすい反面、急激な昇給は期待しにくい傾向があります。

キャリアパス

自社開発・SES・受託開発では、描けるキャリアパスも異なります。それぞれの働き方によって習得できるスキルや経験が違うため、昇進や転職の選択肢も変わってくるでしょう。

例えば自社開発では、プロダクトの成長に長期間関わる中で、PdMやチームリーダー、CTOといったビジネス寄りのキャリアを築きやすい傾向があります

一方のSESや受託開発では多様なプロジェクトを経験するため、PMや特定技術領域のスペシャリストとして、専門性を高めるキャリアを描けます。幅広い業界知識を活かしてコンサルタントへの転身も可能です。

こうした点から、ビジネス寄りのキャリアなら自社開発、エンジニア寄りのキャリアならSESや受託開発になる傾向があると認識しておくと良いでしょう。

自社開発への転職で後悔しないためのポイント

自社開発への転職で後悔しないためのポイント

求人票以外からも情報を集める

自社開発への転職で後悔しないためには、求人票以外からも情報を集めるようにしましょう。企業のWebサイトや求人票だけでは、実際の労働環境や社内の雰囲気を正確に把握できないためです。

会社の口コミサイトやSNS、業界のミートアップなどを活用して、現役社員や元社員の生の声を収集し、より現実的な情報を参考にしてみてください。特に、残業時間や人間関係、キャリア成長の機会など、求人票には記載されない内情は、入社後に後悔しないためにも重要な情報です

面接で開発体制と企業文化を質問する

面接で開発体制と企業文化を質問するのも、転職成功の重要なポイントとなります。面接は応募者側から企業を見極める貴重な機会です。以下のような質問を投げかけてみましょう。

  • 使用している技術スタックやツールは何か
  • コードレビューの体制はどうなっているか
  • 残業時間の実態はどうか
  • リモートワークの比率はどうなのか
  • 有給取得率はどの程度か

こうした情報を得られると、実際の労働環境を把握できます。求人情報だけでは得られない情報になるため、面接時に少しでも疑問に感じたのなら、ミスマッチ防止のためにも必ず質問するようにしましょう

自分のキャリアの軸を明確にしておく

自分のキャリアの軸を明確にしておくことも、転職で後悔しないためには重要です。「なぜ転職するのか」「将来どうなりたいのか」「なぜ自社開発でなければならないのか」を深く自己分析しておきましょう。

表面的な条件や憧れだけで転職先を選んでしまうと、本当に自分が求めているものとのギャップが生じる可能性があります。しかし、キャリアの軸が明確であれば、表面上のイメージに惑わされずに、自分の価値観や目標に合った企業を選択できます。面接でも一貫した志望動機を伝えられるため、採用率も向上するでしょう。

もし、自分のキャリアの軸がわからない場合は、第三者に相談してみるのがおすすめです。中でもキッカケエージェントでは、ITエンジニアに特化したキャリアアドバイザーが、転職によって達成したいことの整理や、求人表の紹介、面接での回答までワンストップでアドバイスしております。

無料でご利用いただけますので、ぜひ1度お気軽にご相談ください。

ITエンジニア転職のプロに

今すぐ無料で相談する

自社開発企業に就職・転職する方法

自社開発企業に就職・転職する方法

プログラミングスクールを利用する

未経験の方が自社開発企業に就職・転職する場合は、プログラミングスクールの利用がおすすめです。実際の開発現場で求められるスキルを体系的に学習できるため、就職・転職しても即戦力として活躍しやすいでしょう

また、スクールではプログラミング技術以外に、チーム開発の経験やポートフォリオ作成まで含めた実践的な内容を習得します。卒業後の転職支援サービスも利用すれば、独学では難しい企業への転職も夢ではないでしょう。

SESやSIerで経験を積む

自社開発企業へ転職するために、SESやSIerで経験を積むのも堅実な方法としておすすめです。まずは実務経験を積み、自身のスキルや適性を客観的に見極められるようになれば、より良い条件で自社開発企業への転職ができるでしょう

さらに、実務経験があると転職市場での評価が大幅に向上し、未経験者では応募できない優良な自社開発企業にもチャレンジできるようになります。

転職後のミスマッチを防ぐ効果もあるので、段階的にキャリアを形成したい方は検討してみましょう。

転職エージェントを利用する

転職エージェントの利用も、自社開発企業への転職を成功させるのに有効な方法です。非公開求人の紹介や企業の内情に詳しいアドバイザーのサポートを受けられるため、1人では見つけられない優良企業と出会える可能性があります

さらに、履歴書の添削や面接対策、年収交渉まで包括的にサポートしてもらえるのも加味すると、転職エージェントを利用するのは非常に良い方法と言えるでしょう。

なお、ITエンジニアの転職に特化したキッカケエージェントでは、「転職でのミスマッチをゼロにする」をコンセプトに、業界への知見が豊富なキャリアアドバイザーが技術力やキャリア、収入、ライフワークバランスなど様々な観点からアドバイスしております。

無料でご利用いただけますので、ぜひ1度お気軽にご相談ください。

ITエンジニア転職のプロに

今すぐ無料で相談する

まとめ

自社開発は決して「やめとけ」と一概に言える働き方ではありません。技術の幅が狭くなるリスクや働き方のハードさといったデメリットも存在しますが、自社サービスを育てる喜びや幅広いスキル習得の機会など、魅力的なメリットも多くあります。

転職する際に重要なのは、自分のキャリア目標や価値観と照らし合わせて判断することです。そのうえで、自社開発への就職・転職が必要だと判断できたのなら、転職を検討してみましょう。

Share:

X (Twitter) でシェアFacebook でシェアはてなブックマーク でシェア
IT菩薩モロー

この記事を監修した人

毛呂 淳一朗 「IT菩薩モロー」

YouTubeでITエンジニアの転職やキャリアに関する情報を発信するキャリア系インフルエンサー。YouTubeチャンネル登録者数は3.4万人(2025年4月時点)。

エンジニア採用担当としての経験も豊富で、企業が求める人材や視点も熟知。その経験を活かし、現在はITエンジニア特化のキャリア支援企業「キッカケエージェント」を立ち上げ、月間120人のITエンジニアと面談を行う。エンジニアのキャリア志向と企業課題の解決を両立する最適な人材紹介を提供。

YouTubeX

転職のミスマッチをゼロにする

キッカケエージェントは、あなたのオンリーワンのエンジニアキャリアを共創します

今の時点でご経験をされている言語や技術要素に関係なく、

① 技術を通じてユーザーやお客様にとって使いやすいサービスの実現に興味があるエンジニアの方
② 興味・関心がある技術について自ら学ぶ意欲をお持ちの方

上記に当てはまる方でしたら、素晴らしい企業とのマッチングをお手伝いできる可能性が高いです。

ITエンジニア転職のプロに

今すぐ無料で相談する