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ヘルプデスクはなぜやめとけと言われる?将来性やキャリアパス

ヘルプデスクはなぜやめとけと言われる?将来性やキャリアパス

2025.10.27

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ヘルプデスクの業務は問い合わせ対応が中心で専門性を深めにくく、将来のキャリアパスに不安を抱える方は多いです。また、ヘルプデスク業務のAI化や外注化が進んでいる昨今では、このまま現職にとどまることが正解か悩むのも自然な流れです。

しかし、ヘルプデスクで培ったユーザー対応力やITの基礎知識は次のキャリアに活きます。重要なのは、自分がどの方向へ進みたいかを早めに定め、必要なスキルを磨き、計画的に成長することです。

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ヘルプデスクが「やめとけ」「きつい」と言われる理由

年収が頭打ちになりやすい

ヘルプデスクは企業から「コスト部門」と見なされやすく、給与水準が抑えられる傾向にあります。最近は外部委託や派遣に任せるケースも増えており、非正規に回される業務は範囲が限定的で正社員に割り当てられても年収は低めに設定されがちです。

実際に日本の平均年収が約460万円であるのに対し、ヘルプデスクの平均年収は300万後半〜400万円前半にとどまっています。責任の割に待遇が伸びづらく、長く働いても昇給が期待できない点は将来を考える上で大きな懸念点です。

技術が身につきにくい

ヘルプデスクとして日常業務に求められるのは、パソコンやOffice製品の操作、インターネット接続やネットワーク設定といった基礎的な知識です。高度なプログラミングやシステム設計に触れる機会は少なく、成長実感はなかなか得られません。問い合わせも似た内容が繰り返されるため、単調なルーティン業務に陥りがちです

特にマニュアルやFAQに沿った電話・メール対応が中心になると、自分の裁量で工夫する余地も狭まり、将来的にエンジニアとしての専門性を高めるには物足りなさを感じやすいのが実情です。

将来のキャリアにつながりにくい

ヘルプデスク経験だけで市場価値を高めるのは難しく、他のIT職種と比べてもキャリアの広がりが限定的です。習得できるスキルが限られているため、資格取得や新しい技術習得の努力を怠るとキャリアチェンジが困難になります

さらに近年はAIチャットボットが定型的な問い合わせを担う流れが進んでおり、ヘルプデスクに割り当てられる業務領域が狭まっています。自動化の波に押される現状を踏まえると、先を見据えたキャリア戦略が不可欠です。

精神をすり減らすクレーム対応

ヘルプデスクは、ユーザーの不満や苛立ちを真っ先に受け止める立場です。「昨日まで動いていたのに」「今すぐ直して」など、感情的な言葉をぶつけられることも珍しくありません。原因がユーザー側にあっても理解してもらえない場面も多く、理不尽な状況に冷静さを保つ精神力が問われます

クレーム対応が続くと、精神的に消耗してしまう人も多いです。しかし、相手の立場に立って話を聞く力や、焦りの中で冷静に判断する力は、他の職種でも通用する強い武器になります。厳しい環境の中で身につけたコミュニケーション力は、確実にキャリアの財産になります。

深夜および休日の呼び出し

システムやネットワークは、いつトラブルが起こるか予測できません。企業によっては24時間体制での対応が求められ、深夜や休日に呼び出されるケースもあります。突然の連絡で出勤を余儀なくされることもあり、生活リズムが乱れやすい環境です

緊急対応では一瞬の判断ミスが業務全体に影響を及ぼすため、プレッシャーは大きいです。休息が取りづらく、心身が疲弊することもあります。それでも、重大な障害を迅速に解決できたときの達成感は格別です。責任感の強い人ほど評価されやすく、実務経験を積むことで確実に成長を実感できます。

SESならではの疎外感

SESとして常駐先でヘルプデスク業務を行う場合、現場の社員と協力しながら仕事を進める一方で、所属企業が異なるため孤立感を覚えることがあります。相談しづらい雰囲気の中で、外部スタッフとして扱われることもあり、チームに馴染めずに悩む人もいます

評価も常駐先ではなく自社の基準で決まるため、努力が正当に反映されにくいと感じるケースが多いです。ただし、複数企業の環境で業務経験を積めるのは大きな強みです。多様なシステムや運用体制に触れた経験は、将来インフラや社内SEに転身する際に大きなアドバンテージになります。

ヘルプデスクの主な業務内容

ヘルプデスクの主な業務内容

問い合わせ対応

業務内容社内ユーザーから寄せられるパソコンや業務システム、ネットワーク不具合などの相談に対応します。新規端末の設置や設定、撤去といったハード面の業務も含まれます。操作マニュアルを作成し、ユーザーが自力で解決できる環境整備も業務内容です。
きついポイント「昨日まで動いてたのに!」「急いでるんだから早くして!」といった”怒り”をぶつけられる。

問い合わせ対応は、ヘルプデスクの主戦場といえるメインの業務です。ユーザーからの様々な「困った」に寄り添う必要があるため、最も人間力が試されます。クレームなどの理不尽な問い合わせに対しても、冷静さを失わない精神力が求められます。

技術サポート

業務内容プリンタやネットワークなどOA機器の設定・不具合対応を行います。調査から解決までを任されることも多く、トラブルシューティングも重要な業務です。複雑な障害では他部署と連携し、復旧を主導する役割もあります。
きついポイントシステムトラブルが発生した際、即対応を求められる緊張感がある。原因が分からないときに「まだできないのか」と周囲から責められることもある。

技術サポートは、問題を「直す」立場として責任が重いポジションです。障害対応はプレッシャーも大きく、特に影響範囲が広い場合は迅速な判断力と冷静な行動が求められます。ただし、対応経験を積むほど技術スキルが磨かれ、社内からの信頼も厚くなります。現場感覚を持ちながら技術を伸ばしたい方には、やりがいのある領域です。

エスカレーション

業務内容一次対応で収まらない大きなトラブルは専門部署やベンダーに引き継ぎます。トラブル対応後は、内容を記録しデータベース化し再発防止につなげます。ナレッジ共有により、チーム全体の対応品質を高める点も重要です。
きついポイントユーザからは「まだ直らないの?」と進捗を急かされることが多い。自分では解決できないもどかしさを感じやすい。専門部署からも「またその問い合わせか」と愚痴を言われ板挟みになりやすい。

エスカレーションは、判断力と調整力が問われる業務です。現場での一次対応を終えた後、技術部門や外部ベンダーに正確な情報を伝える必要があります。連携の齟齬があれば復旧が遅れるため、丁寧な報告とコミュニケーションが欠かせません。自分の手を離れた後も責任を持ち続ける姿勢が、信頼を築く鍵になります。

ヘルプデスクに向いている人・向いていない人

ヘルプデスクに向いている人・向いていない人

向いている人

  • 人とのコミュニケーションが好きな人
  • 忍耐力がある人
  • 柔軟性がある人

ヘルプデスクに向いているのは、人とのやり取りを苦にせず楽しめる方です。問い合わせ内容を正確に聞き取り、相手の状況やITリテラシーに合わせて説明を工夫する力が求められます

また、同じ質問を繰り返し受けたり感情的なユーザーと向き合ったりするケースもあるため、忍耐強さと冷静さが不可欠です。さらに想定外のトラブルや緊急対応もあるため、柔軟に判断し対応できる方は評価されやすく、現場で頼られる存在になれます。

向いていない人

  • 人とのコミュニケーションが苦手な人
  • 技術を深掘りしたい人
  • 単調作業にストレスを感じやすい人

ヘルプデスクは、コミュニケーションが苦手な方には不向きです。ヘルプデスクは社内外の人と関わり続ける仕事であり、人との会話が苦痛だとストレスになります。

さらに一次対応が中心のため、設計や開発に携わりたい方や専門技術を極めたい方には物足りなく感じやすいです。また「パスワードを忘れた」「ネットがつながらない」といった繰り返しの問い合わせが多いため、単調な作業に耐えられない方はモチベーションを保ちにくいのが現実です。

ヘルプデスクに必須のスキル

ヘルプデスクに必須のスキル

ITの基礎知識

ヘルプデスクで欠かせないのは、OS・ネットワーク・Office製品に関する知識です。問い合わせの多くは「PCが遅い」「Wi-Fiがつながらない」「Excelが動かない」など基礎的な内容であり、特定分野の深い知識よりもIT全般の幅広い知識が求められます

また、原因を切り分け、マニュアルを適用し、必要に応じてエスカレーションする一連の流れを正確に実行する力も重要です。こうした対応を繰り返す中でトラブルシューティング力が磨かれ、現場で信頼される存在となります。

コミュニケーションスキル

ヘルプデスクでは、技術知識以上に「伝える力」が試されます。利用者は必ずしもITに詳しいわけではなく、専門用語を避け、相手の理解度に合わせて説明する柔軟さが必要です。

同時に、困っている人の声に耳を傾け、不安や苛立ちに共感しながら対応する姿勢も欠かせません。単に問題を解決するのではなく、安心感の提供が評価につながります。人とのやり取りを大切にできる方は、この仕事で強みを発揮できます。

業務遂行面のスキル

ヘルプデスクは複数の問い合わせが同時に発生するため、優先順位を判断し並行して進めるマルチタスク能力が求められます。また、対応内容を正確に記録し、チケットやナレッジとしてドキュメントに残す習慣も欠かせません。ドキュメントを作成しておけば、同一原因における障害の再発防止や二次対応の迅速化につながり、チーム全体の生産性を高めます

丁寧なドキュメンテーション力を持つ人は、周囲からも頼りにされ、業務改善に貢献できる存在として評価されやすいです。

ヘルプデスクからのキャリアパス

ヘルプデスクからのキャリアパス

社内SE・情報システム部門へ転身

仕事内容社内システムの企画・開発・運用保守、ヘルプデスク対応、ベンダー管理、IT資産管理、セキュリティ施策の推進など、社内のIT全般を支える役割。
求められるスキル・業務システムやネットワークに関する基礎知識
・課題発見力と要件定義力
・ベンダーや各部門と調整するコミュニケーション力
・情報セキュリティやITガバナンスへの理解
おすすめの資格・基本情報技術者試験(IT全般の基礎)
・応用情報技術者試験(上流工程・管理スキル)
・情報処理安全確保支援士(セキュリティ対応強化)

ヘルプデスクの経験を活かしやすいキャリアが社内SEです。社内SEは社内システムの企画や開発、運用保守を担うポジションであり、日常的にユーザー対応を行ってきた知見が強みになります。基幹システムの保守や業務システムの運用経験があれば、即戦力として採用される可能性も高まります

企業によっては開発スキルが必須なケースもありますが、JavaやPythonなどのプログラミングスキルを取得しておけば評価を受けやすいです。平均年収は450~580万円前後と安定しており、キャリアアップの定番ルートです。

インフラ・ネットワークエンジニアへ転身

仕事内容サーバ・ネットワークの設計、構築、運用保守を担当。
通信環境やシステム基盤を安定稼働させるための監視、障害対応、性能改善、セキュリティ対策などを行う。
求められるスキル・TCP/IPやDNSなどネットワーク基礎知識
・Linux/Windowsサーバの構築・運用スキル
・仮想化・クラウド(AWS、Azure)に関する知識
・トラブルシューティング力と論理的思考力
おすすめの資格・CCNA/CCNP(ネットワーク構築・運用)
・LPIC/LinuC(サーバ運用)
・AWS認定資格(クラウド設計・運用)
・ネットワークスペシャリスト試験(高度技術者向け)

ネットワークやサーバの知識を深めたい方には、インフラエンジニアやネットワークエンジニアがおすすめです。社内ネットワークの運用保守経験はそのまま応用でき、ヘルプデスクで培った基礎知識が土台になります

業務はネットワーク機器の設置や設定、障害対応からサーバ管理まで幅広く、専門性を高めるほど市場価値は上がります。資格面ではCCNAやLPIC、AWS認定資格が評価されやすいです。平均年収は620万円ほどで、技術を積み重ねることでさらに高収入を狙える分野です。

SE・PMなどの上流工程へ転身

仕事内容顧客や社内の要望をもとに、システムの要件定義・設計・開発工程の管理を行う。
プロジェクト全体を統括し、納期・品質・コストをコントロールする役割を担う。
求められるスキル・要件定義・基本設計など上流工程の知識
・課題分析力・論理的思考力
・チームマネジメントやリーダーシップ
・顧客折衝・プレゼンテーション能力
おすすめの資格・応用情報技術者試験(上流工程の基礎)
・プロジェクトマネージャ試験(PM実務力)
・ITストラテジスト試験(IT戦略立案力)
・PMP(国際的PM資格/実践型)

ヘルプデスクの利用者対応経験は、上流工程を目指す場合にも役立ちます。要件定義や設計を行う場合、単にシステムを作るだけでなく、ユーザーの課題や業務の背景を正しく理解する力が求められます。日常的に業務フローや利用者の困りごとを把握してきた経験は大きなアドバンテージです

さらに基本情報技術者や応用情報技術者を取得すれば、転職市場での評価が高まります。平均年収は550万円前後ですが、プロジェクトマネージャーとして実績を積めば年収700万円以上も十分に狙えるキャリアです。

ヘルプデスクからのキャリアアップ成功のコツ

ヘルプデスクからのキャリアアップ成功のコツ

キャリアパスを明確にする

ヘルプデスクからのキャリアアップを目指すなら、最初にやるべきことは「何になりたいか」を明確に決めることです。社内SE、インフラエンジニア、開発エンジニアなど方向性によって必要なスキルが変わります。

目標が固まれば、不足しているスキルを洗い出し、集中して学習するだけで成果が出やすくなります。逆に手当たり次第に資格取得や学習を進めると、器用貧乏になり市場価値を高めにくいです。目的に直結するスキルへの投資で、短期間でのキャリアアップを実現できます。

転職エージェントを活用する

ヘルプデスクから次のステップに進むなら、転職エージェントの利用は必須です。転職エージェントは各職種や企業で求められるスキルを熟知しているため、的確なキャリア戦略を立てられます。表に出ない採用基準や企業内部の事情を踏まえた書類添削や面接対策も受けられるため、一人で動くより成功率が大きく上がります。

特にIT特化型のエージェントは情報の精度が高く、数年先を見越したキャリア設計まで伴走してくれる点が魅力です。キッカケエージェントでは求職者の希望に合わせた企業の提案や応募書類の添削、面接対策など手厚いサポートが可能なので、キャリアに不安がある方はご相談ください

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まとめ

ヘルプデスクはユーザーの課題について解決する大切な役割を担いますが、専門性が身につきにくく、市場価値を高めづらい面があります。AIや外注化の進展もあり、将来性に不安を抱く方は多いです。

ただし、ヘルプデスクで得た経験をキャリアの土台として活かす方法は確実に存在します。重要なのは、自分のキャリアパスを明確にし、必要なスキルを計画的に伸ばすことです。転職を見据えるなら、IT特化の転職エージェントを活用するのが近道です

キッカケエージェントでは、スキル整理から企業選び、面接対策まで伴走し、安心して次の一歩が踏み出せる環境を用意しています。相談からサポートまで無料なので、キャリアについて不安がある方はお気軽にご相談ください。

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この求人を監修した人

毛呂 淳一朗 「IT菩薩モロー」

YouTubeでITエンジニアの転職やキャリアに関する情報を発信するキャリア系インフルエンサー。YouTubeチャンネル登録者数は3.4万人(2025年4月時点)。

エンジニア採用担当としての経験も豊富で、企業が求める人材や視点も熟知。その経験を活かし、現在はITエンジニア特化のキャリア支援企業「キッカケエージェント」を立ち上げ、月間120人のITエンジニアと面談を行う。エンジニアのキャリア志向と企業課題の解決を両立する最適な人材紹介を提供。

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