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SIerから転職できない?難しい理由と成功・後悔のポイントを解説

SIerから転職できない?難しい理由と成功・後悔のポイントを解説

2025.10.08

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「転職活動を始めたけれど、なかなか内定がもらえない」

「SIerの経験は他の業界で評価されないのだろうか」

書類選考で落とされ続けると、自分のスキルや経験に自信を失ってしまうものです。特にSIerエンジニアは「受け身の仕事しかしていない」「誰でもできる作業をしているだけ」と誤解されがちで、転職市場で苦戦することがあります。

そこで今回は「SIerは転職できないのか」について解説します。「転職活動で失敗しやすいパターン」や「転職を成功させるための手順」も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

SIerからの転職はなぜ難しいと言われるのか?

SIerからの転職はなぜ難しいと言われるのか?

SIerならではのスキルが転職市場では評価されにくいという誤解

SIerでの経験は、プロジェクトの要件定義やマネジメントなど、幅広いスキルを身につけられます。しかし転職市場では、特定の専門技術が低いと見なされる場合があります。SIerの仕事が特定の技術に特化しにくい構造になっているためです

実際のSIerでは、顧客折衝力やシステム全体を俯瞰する視点、複雑なプロジェクトを推進する能力など、多くの企業で重宝されるスキルを習得します。転職が難しいと言われるのは、そうした価値が正しく理解されていないためです。

受け身の仕事が多いと思われがちだから

多くのSIerエンジニアは、顧客の要求に基づいて開発をします。そのため、採用側に受け身の仕事が多いというイメージを持たれがちです。しかし、実際は顧客の課題を深く理解し、最適な解決策を提案する課題解決力が求められる仕事でもあります。

こうしたSIerエンジニアもしくはSIer出身者と採用側のギャップが、転職の難しさにつながっています。顧客の業務プロセスを分析する企画力や、複数のステークホルダーとの調整を行うコミュニケーション能力など、SIerエンジニアの価値が転職市場で正しく評価されていないのが現状です。

自分の強みが誰にでもできる作業と認識されてしまう

SIerエンジニアの業務はプログラミングだけでなく、ドキュメント作成やテストなど多岐にわたります。しかし、これらを誰にでもできる作業として捉えてしまい、自分の強みとしてアピールできていないケースがあります。

実際には、複雑なシステム要件を整理し分かりやすく文書化する能力や、品質を担保するためのテスト設計力は高度なスキルです。SIerエンジニアもしくはSIer出身者として転職をする際は、そうした身につけている能力の価値を正しく認識し、アピールしましょう

もし、SIerエンジニアとして身につけたスキルの強みがわからない場合は、これまでの経験を棚卸してみてください。意外な強みがわかるかもしれません。具体的な方法については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ確認してください。

SIerが転職できないと感じてしまう本当の理由

SIerが転職できないと感じてしまう本当の理由

企業が求めるスキルとズレがあるから

転職先となる企業は、特定の技術や即戦力としてのスキルを求めていることがほとんどです。特に30代以降の中途採用となると、顕著になります。SIerで身につけた幅広い知識は強みですが、特定の分野に特化したスキルが不足していると、企業が求める人材像とズレが生じる可能性があります。

例えば、Web系企業ではReactやVue.js、クラウド企業ではAWSやGCPの専門知識といった、より特化したスキルが必要です。こうしたミスマッチが、転職の障壁になっています。

自分の経験をうまく言語化できていないから

転職できないと感じてしまう方の中には、SIerの仕事で培ったスキルや経験を、客観的かつ具体的に説明できていないケースが見られます。

例えば、「プロジェクトを円滑に進めた経験」をアピールする場合、「関係者の調整を行い、プロジェクトの遅延を防いだ」というように、具体的に言語化していく必要があります。

そのほか、「顧客満足度を向上させた」ではなく、「要件変更への迅速な対応により、顧客評価を4.2点から4.8点に向上させた」といった具体的な数値や期間を使って、成果を示すのも重要です。

そもそも向いていない企業ばかり受けているから

自社開発企業への転職を漠然と目指し、自分のスキルや志向に合っていない企業ばかりを受けていることも、失敗する大きな原因です。転職では企業の種類や文化、働き方を深く理解し、自分に合った企業を選ぶ必要があります。

例えば、SIerエンジニアとしての経験を活かせる大手事業会社のIT部門や、システムインテグレーション事業を展開する企業なども選択肢に入ります。企業の技術スタックや開発手法、求める人材像を事前に調査し、自分の強みが活かせる環境を見極めると良いでしょう

もし自分に向いてる企業がわからないという方は、転職エージェントへの相談がオススメです。中でエンジニアに特化した転職サービスであるキッカケエージェントでは、「転職でのミスマッチをゼロにする」をコンセプトに、ITエンジニアに特化したキャリアアドバイザーが技術力やキャリア、収入、ライフワークバランスなど様々な観点からアドバイスしております。

第三者の視点で、自分が抱える転職活動の壁を客観的に理解できるため、向いている企業への転職もひとりで進めるよりスムーズにできます。

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SIerからの転職活動で失敗しやすいパターン

SIerからの転職活動で失敗しやすいパターン

転職先で活かせるスキルを身につけられていない

転職を考えているにもかかわらず、今の仕事で新しい技術を学んだり、スキルアップに繋がる経験を積もうとしなかったりすると、転職先で活かせるスキルが不足してしまいます。

転職活動では、希望する企業が求めているスキルを把握し、自分がそれを満たす人材かどうかを考えていかなくてはいけません。例えば、クラウド技術やアジャイル開発手法など、転職先で重視される技術を、現在の業務でも積極的に取り入れ、自分の市場価値を高めていきましょう。

アウトプットできるスキルや経験が少ない

自社開発企業では、ポートフォリオなどでアウトプットを求められる場合があります。しかし、SIerエンジニアの仕事はアウトプットが顧客企業のシステム内に留まることが多いため、アピールできるアウトプットがないと評価されにくくなります。

また、仕事内容が顧客との調整やプロジェクト管理中心だった場合、技術的なアウトプットができないケースもあるでしょう。このような状況を打破するには、個人プロジェクトや技術ブログ、勉強会での発表など、業務外でも積極的にアウトプットをしていくのも重要です

実績を上手く伝えられていない

自己PRでは「〇〇システムの開発に携わった」という事実を伝えるだけでなく、「そのシステム開発でどのような課題を解決し、どのような成果を出したか」まで具体的に説明できないと、実績として評価されません。数字などを使って客観的に説明し、相手が理解しやすい形で伝える必要があります

「プロジェクト期間を20%短縮した」「顧客満足度を向上させた」といった数値的な成果や、「チームメンバーのスキル向上に貢献した」などの具体的な貢献内容を盛り込むようにしましょう。

ただ、自己PRは難しいものです。書き方がわからないという方は、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

自分の立ち位置を理解できていない

自分の立ち位置を客観的に説明できないと、面接時に質問された場合に適切に答えられない可能性があります。採用担当者が採用後の活躍を明確にイメージできないためです。どのようなポジションで活躍してくれるのかのイメージができないと、採用されない可能性があります

「チームのリーダーとして5名をまとめた経験がある」「要件定義から運用まで一貫して担当できる」といった具体的な強みを整理し、転職先でどのような貢献ができるかを明確に示すようにしましょう。

中長期的なキャリアパスを描けていない

転職先によっては、希望通りの年収や待遇を満たせない可能性があります。特に大手SIerから転職する際は、年収や待遇が下がりやすい傾向なため注意しましょう。中でも、年収や待遇などの条件面の確認は必須です。目先の条件を優先した結果、中長期的なキャリアパスやそれに伴う年収などが希望とマッチしなかったケースがあります。

また、年収だけでなく福利厚生や働き方の変化も考慮したいポイントです。基本給は下がっても成果報酬で補えるか、リモートワークの導入でワークライフバランスが改善されるかなど、事前に優先順位を明確にし、妥協できる範囲を決めておくと良いでしょう。

SIerから転職をして後悔しやすいこと

SIerから転職をして後悔しやすいこと

業務内容とやりたいことが異なっている

SIerから転職後、理想と現実のギャップに直面し、業務内容と自分がやりたかったことにズレが生じるケースがあります。上流工程に携わりたいと考えて転職したものの、実際は携われず、やりがいを見失ってしまうケースが該当します。

こうしたギャップは、転職先の企業文化や具体的な仕事内容について、事前の情報収集が不十分だった場合に起こりやすい問題です。面接時に具体的な業務内容や将来のキャリアパスについて詳しく質問し、可能であれば現場社員との面談も求めてみましょう。

スキル不足で仕事に追いついていない

コミュニケーションスキルやポテンシャル採用、人手不足解消などで採用された場合、現場に出ながら成長していかなければいけない場面に陥るケースがあります。このような場合、周囲に追いついていくのに苦労する点に注意が必要です。ある程度の時間が経っても追いつけない場合は、ミスマッチと判断される可能性があります。

特に技術スタックが大きく異なる環境では、学習コストが高く、厳しい状況になるケースも考えられます。転職前に必要なスキルを把握し、可能な範囲で事前学習を進めておくと良いでしょう。

SIerからの転職を成功させるステップ

SIerからの転職を成功させるステップ

Step1.SIerで身につけたスキルを分解して可視化する

SIerから転職をする際は、まずはSIerエンジニアとしての経験を洗い出し、プログラミング能力やプロジェクトマネジメント能力、顧客折衝能力など、具体的なスキルに分解しましょう。そのうえで、どのような場面で発揮できたか、どのようなレベルで発揮できたかを可視化していくのが大切です

例えば、プロジェクトマネジメントであれば「10名のチームを率いて6ヶ月のプロジェクトを予定通り完遂した」といった具体的なエピソードを整理します。自分の市場価値を客観的に判断するためにも、転職活動の準備期間にやっておきましょう。

Step2.自分の得意とやりたいことを言語化する

次に、自己分析を通じて自分が何を得意とし、どのような仕事にやりがいを感じるのかを以下のような形で明確にしていきます。

  • 上流工程で顧客の課題を解決することが好き
  • 新しい技術を使って開発することが楽しい

この際、「なぜそれが得意なのか」「どのような瞬間にやりがいを感じるのか」についても深掘りして整理しておくと良いでしょう。自分の得意分野ややりたいことを明確にすると、転職先選びの軸が定まり、面接時にも説得力のある志望動機を伝えられるようになります

Step3.SIer転職に強いエージェントに相談する

転職活動を1人で進めるのが難しい場合は、SIerエンジニアやSIer出身者の転職支援に特化したエージェントに相談するのもおすすめです。

エージェントから市場価値の把握や自分に合った求人情報の提供、職務経歴書の添削など、多岐にわたるサポートを受けられれば、自力よりも転職の成功率がアップします。面接対策や年収交渉でも心強いパートナーになってくれるため、なるべく活用するようにしましょう。

SIerエンジニアの転職に強いキッカケエージェントでは、「転職でのミスマッチをゼロにする」をコンセプトに、ITエンジニアに特化したキャリアアドバイザーが技術力やキャリア、収入、ライフワークバランスなど様々な観点からアドバイスしております。

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SIerから転職できない事態を避けるポイント

SIerから転職できない事態を避けるポイント

安易に自社開発を目指さない

自社開発企業は人気がありますが、SIerとは働き方や求められるスキルが大きく異なります。安易に「自社開発=良い」と決めつけず、自身のスキルやキャリアプランに合っているかを慎重に検討しましょう

特に自社開発企業では、主体性やスピード感、最新技術への対応力が重視されるため、SIerで培った要件定義や顧客折衝のスキルを活かしにくい場合があります。

受託開発企業や大手事業会社のIT部門など、SIerエンジニアの経験を活かせる他の選択肢も視野に入れるのも大切です。

年収アップだけをゴールにしない

年収アップは転職の大きなモチベーションになりますが、それだけをゴールにしてしまうと、仕事内容や企業文化とのミスマッチが起こりやすくなります。自身のスキルアップやキャリア形成も重視した転職を心がけましょう

また、転職先を選ぶ際は年収だけでなく、ワークライフバランスや成長機会、福利厚生なども含めて総合的に評価するのも重要です。短期的な年収向上よりも、長期的なキャリア発展を見据えた選択をすることで、転職後の満足度も高まります。

転職活動を焦らない

転職活動は、長期的になるケースも少なくありません。そのため、焦って内定を承諾してしまうと、後悔につながる可能性があります。自分のキャリアと真剣に向き合い、納得のいく転職先を見つけるまで、粘り強く活動を続けましょう。

特にSIerからの転職は、企業選びや自己分析に時間をかける必要があるため、半年から1年程度の期間を見込んでおくことが大切です。現在の仕事を続けながら転職活動をして、精神的な余裕を保ちながら理想の転職先を探すようにしましょう。

SIerから転職できない場合にフリーランスはあり?

SIerから転職できない場合にフリーランスはあり?

自由と高収入を得たいならあり

SIerからフリーランスになることで、年収アップの可能性はあります。高単価の案件を獲得できれば、高収入にも期待できるでしょう。独立した方の中には、SIer時代とは比べものにならないほど稼いでいる方もいます。

一方で、フリーランスは自分から行動しないと仕事を得られない働き方です。仕事を取りに行く営業力が必要になります。収入の安定性や福利厚生の面では、リスクが伴うのは意識した方が良いでしょう。

事務作業や営業が苦にならないならあり

フリーランスは、全てをひとりでやらなければなりません。SIer時代ではしていなかった営業や事務作業、案件管理、契約書の作成、請求書の発行まで仕事に入ります。SIerエンジニアとしての業務以外にも時間を割かなければいけなくなるでしょう。

そのため、フリーランスという働き方には明確に向き不向きが出ます。SIerエンジニア以外の業務が苦にならないのであれば、フリーランスは選択肢として検討の余地ありと言えます。

全て自己責任になるのを許容できるならあり

フリーランスは自由な働き方と高年収に期待できる一方で、全てが自己責任になります。失敗しても誰も庇ってはくれません。仕事を獲得できなければ、当然、収入もゼロです。病気で働けなくなる可能性も考慮して、慎重な検討が必要になります。

また、有給休暇や社会保険などの福利厚生もないため、自分で健康管理や資金管理を徹底しなければいけません。スキルアップも自主的にしなければならず、常に市場価値を維持・向上させる努力も必要です。こうしたリスクを理解し、受け入れられる人には適しています。

まとめ

SIerからの転職が困難だと感じる理由の多くは、スキル不足ではなく、自己分析や企業選びの方法に問題があります。SIerで培った経験やスキルを適切にアピールできれば、希望の職場に転職するのも、難しい話ではありません。

転職できない事態にならないためにも、まずは自分の強みを正しく言語化し、客観的にわかるように整理してください。そのうえで、転職エージェントを活用しながら、焦らず計画的に進めていけば転職を成功できるでしょう。

キッカケエージェントでは、「転職でのミスマッチをゼロにする」をコンセプトに、ITエンジニアに特化したキャリアアドバイザーが技術力やキャリア、収入、ライフワークバランスなど様々な観点からアドバイスをしております。

SIerからの転職を成功した方も多く、実績も豊富です。無料でご利用いただけますので、ぜひ1度お気軽にご相談ください。

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