「フルスタックエンジニアがいらないって言われるのはどうして?」
「フルスタックエンジニアに興味があるけど、やめとけって聞いて不安」
このように感じる方も多いのではないでしょうか。フルスタックエンジニアへの転職を考えた際、ネガティブな声を聞いて不安になるのも仕方がありません。
そこで今回は「フルスタックエンジニアがいらないと言われる理由」を紹介します。転職するにあたって知っておきたい「向いている人と向いていない人の特徴」や「キャリア戦略」も解説していますので、ぜひ参考にしてください。
フルスタックエンジニアは「いらない」「やめとけ」と言われる理由

学習コストが高い
フルスタックエンジニアがやめとけと言われるのは、フロントエンドやバックエンド、インフラなど複数領域の技術を習得する必要があるためです。
例えば、ReactやVue.js、PythonにAWSなど、フルスタックエンジニアがカバーすべき技術範囲は非常に広く、それぞれが独立した専門分野として成立するほどの深さを持っています。さらに、年単位でメジャーアップデートされ、新しいフレームワークやツールも次々と登場します。
求められる知識やスキルのレベルが高い
フルスタックエンジニアがやめとけと言われるのは、求められる知識やスキルのレベルが高いからという理由もあります。技術領域すべてにおいて実務レベルのスキルが求められるため、単に「触ったことがある」レベルではなく、各領域で専門エンジニアに匹敵する実力が期待されます。
そのため、幅広く対応できる便利さから重宝される一方で、専門性の深さに欠けるため、中途半端や器用貧乏といった評価を受けやすい傾向があります。キャリアを積む中で、市場価値が曖昧になってしまう側面があります。
責任範囲が広すぎて業務負荷が大きい
フルスタックエンジニアは業務範囲が広すぎるがゆえに、業務負荷が大きいのも、やめとけと言われる理由の1つです。システム全体の設計から実装、運用まで担当することが多く、トラブル時にはすべての領域で対応を求められます。
例えば、フロントエンドのバグ修正やバックエンドのAPI開発など、様々な問題が集中した結果、業務負荷が大きくなってしまうケースが該当します。複数のプロジェクトを同時並行で進めていると、より負担が大きくなるでしょう。
その結果、長時間労働が常態化し、ワークライフバランスが崩れやすくなってしまうのです。
大規模なプロジェクトでは不要なケースがある
広く浅い知識を持つフルスタックエンジニアは、大規模なプロジェクトでは「いらない」と言われる場合があります。各領域に専門のエンジニアが配置されるためです。そのようなプロジェクトでは、フルスタックエンジニアの強みを活かせません。
例えば数百人規模の開発チームでは、フロントエンド専門チームやバックエンド専門チームのように、各領域のエキスパートが担当します。こうした環境では、フルスタックエンジニアは「どこに配属すべきか分からない」「専門性が足りない」と判断され、活躍の場が限られてしまいます。
こうした点も、やめとけと言われる要因の1つです。
何でも屋のように扱われる可能性がある
フルスタックエンジニアは、幅広いスキルを持っている職種です。そのため、専門外の雑務や緊急対応まで依頼されやすい特徴があります。
例えば、フルスタックだからという理由で、Excel集計や社内ツール修正、サーバー移行作業、本来の業務とは関係ないものまで押し付けられるケースがあります。
その結果、最新技術の習得や深い専門性の構築に時間を割けず、キャリア形成が停滞してしまう点には注意が必要です。強みを得られず、「いらない」と判断される可能性すらあります。
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今すぐ無料で相談するフルスタックエンジニアを企業が求める理由

少人数チームで活躍できるため重宝される
フルスタックエンジニアは限られたリソースで最大の成果を出せる職種です。そのため、スタートアップや小規模チームにおいて、重宝される傾向にあります。
特に創業期の企業では、少数のエンジニアでプロダクト全体を開発することが多く、フロントエンドからバックエンド、インフラまで1人でカバーできる人材は非常に貴重です。
専門エンジニアを複数雇う予算や時間的余裕がない中、MVP開発からリリースまでを迅速に進められるフルスタックエンジニアの存在は、非常に大きいと言えるでしょう。
分野を超えて活躍してくれる
フルスタックエンジニアがいると、フロントエンドとバックエンドの技術的な課題を解決しやすい点も、企業が求める理由の1つです。双方への理解力があるためチーム間のコミュニケーションコストを削減し、開発効率を大幅に向上できると期待されます。
フロントエンド側とバックエンド側で認識の齟齬が生まれたとしても、フルスタックエンジニアがいれば最適な設計を提案し、スムーズなコミュニケーションが可能です。
こうした点も、企業がフルスタックエンジニアを求める理由となっています。
多様なキャリアパスで組織に貢献してくれる
フルスタックエンジニアは、その幅広い技術知識と経験を活かして、テックリードやアーキテクト、CTOなどの上位ポジションへのキャリアになれる職種です。システム全体を理解しているのもあり、技術的な意思決定を行う上位ポジションとして組織に貢献できます。
また、プロダクトマネージャーやビジネス側への転向も比較的しやすく、技術とビジネスの両面を理解した人材として重宝されるでしょう。
このように、フルスタックエンジニアならではの多様なキャリアパスで、組織に貢献してくれるのではないかという期待も、企業が求める理由となっています。
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今すぐ無料で相談するフルスタックエンジニアに向いている人の特徴

好奇心旺盛で学習意欲が高い人
新しい技術やツールに興味を持ち、自発的に学習を続けられる人は、複数領域の技術習得が必要なフルスタックエンジニアに向いています。
ReactやVue.js、PythonにAWSなど、次々と登場する新技術を面白い技術として楽しめる人にとって、フルスタックエンジニアは理想的なキャリアです。技術書を読んだり、個人プロジェクトで新しいフレームワークを試したりするのが好きな人は、自然と幅広いスキルセットを身につけられます。
コミュニケーション能力が高い人
フルスタックエンジニアは、様々な専門分野の担当者と協働する機会が多い職種です。そのため、技術的な内容をわかりやすく伝え、他者の意見を理解して調整できるコミュニケーション力が重要になります。
フロントエンド専門のデザイナーやバックエンド専門のエンジニアなどのメンバーと日常的に協働する中で、各分野の専門用語を相手に合わせて翻訳し、技術的な制約や可能性を非エンジニアにも理解できる言葉で説明する能力が求められます。
マルチタスクが得意な人
フルスタックエンジニアの業務は、複数のプロジェクトや異なる技術領域の作業を同時並行で進める場合があります。そのため、優先順位を適切に判断し、効率的にタスクを処理できる能力が必要です。
例えば、午前中はフロントエンドのUI実装、午後はバックエンドのAPI開発といった形で、1日の中で複数の技術領域を切り替えることがあります。
こうした環境でも各タスクの緊急度と重要度を見極め、限られた時間内で最大の成果を出せる人は、フルスタックエンジニアに向いています。
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今すぐ無料で相談するフルスタックエンジニアに向いていない人の特徴

スペシャリストになりたい人
1つの技術領域を深く極めたい志向の人には、広く浅くなりがちなフルスタックエンジニアは向いていません。
例えば、何年もかけて習得する深い専門知識まで幅広くカバーしようとすると、どうしても各分野の学習が浅くなってしまいます。実力を認められるレベルに到達するのは難しいでしょう。
そのため、スペシャリストを目指している人にとって、フルスタックエンジニアは不向きと言えます。
自己学習が苦手な人
フルスタックエンジニアは複数領域の技術を常にキャッチアップする必要があるため、自ら進んで学習する習慣がない人は向いていません。求められるスキルレベルの維持が困難なためです。
特に、業務時間内だけでは到底カバーできない広範な技術領域を担当するのもあり、プライベート時間を使った自己学習が必須になります。新しいフレームワークのドキュメントを読むなどの習慣がない人は、すぐに技術的負債を抱えてしまうでしょう。
マルチタスクが苦手な人
1つの作業に集中したい人や、複数のタスクを切り替えることにストレスを感じる人も、フルスタックエンジニアは向いていません。午前中にフロントエンドのコーディング、午後にバックエンドのAPI設計のように1日の中で何度も異なる技術領域を切り替える場合、大きな負担になってしまいます。
そのため、1つの問題を解決するまで集中したい人や、静かな環境でじっくり設計やコーディングをしたい人には、専門エンジニアを目指した方が良いでしょう。
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今すぐ無料で相談するフルスタックエンジニアがいらないと言われないために身に付けるべきスキル

プログラミングスキル
フルスタックエンジニアは、まずフロントエンドとバックエンドの複数言語を習得し、実務で使える品質のコードを書けるようになっておく必要があります。
この際、単に動くコードではなく、保守性の高いコードやパフォーマンスを考慮した実装、セキュリティ脆弱性のない安全なコードを書ける実力が求められます。
加えて、DockerやAWS/GCPなどのインフラの知識を持つと、広く活躍できるでしょう。
ITインフラやOSに関するスキル
フルスタックエンジニアは、サーバー構築やネットワーク設定、Linux/Windowsの操作などシステム基盤に関する知識と技術を持っていると、運用面でも活躍できます。
特に、Linuxコマンド操作やシェルスクリプト作成、ファイアウォール設定などインフラの基本スキルは、障害発生時の迅速な対応に不可欠です。OSに関するスキルとセットで、習得と市場の価値を高められるでしょう。
クラウドサービスに関するスキル
AWSやAzure、GCPなどのクラウドプラットフォームを活用したインフラ構築やサービス連携ができるスキルは、現代の開発現場で必須です。そのため、習得しているとフルスタックエンジニアとして、市場価値を大きく高められます。
併せて、クラウドに関係する認定資格を取得していると、客観的なスキル証明としても活用できます。取得する中でその技術を体系的に学べるメリットもあるため、実務経験を積みながら挑戦すると良いでしょう。
リーダー・マネジメント経験
フルスタックエンジニアとして、リーダーやマネジメント経験を積んでおくのも重要です。特に、35歳までに5名程度のメンバーに対してタスクの切り出しや進捗管理を行う開発リーダーの経験を2年程度積んでおくと、キャリア戦略で大きく役立ちます。
チームをまとめてプロジェクトを成功に導く経験は、30代以降のキャリアアップに不可欠です。キャリアのためにも、技術だけでなく人を動かす力も並行して身に付けるようにしましょう。
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今すぐ無料で相談するフルスタックエンジニアが「いらない」とならないためのキャリア戦略

自社開発企業へ転職する
フルスタックエンジニアの強みを活かせるスタートアップや自社サービス企業に転職し、プロダクト開発の全工程に関わりながら、技術力とビジネス理解力を高めていくキャリアがあります。
特に、自社開発企業では企画段階から運用まで一貫して携われるため、成長できる機会が他の職種と比べて多めです。
また、フルスタックの知見を活かしてSREになる選択肢もあります。年収800万円程度ならSREの方が目指しやすいため、転職候補として検討したいキャリアです。
特定の技術を極めるスペシャリストに転身する
これまで培った幅広い知識を基盤として、AIやセキュリティといった特定の分野に特化し、希少性の高いスペシャリストになるキャリアもあります。
例えば、システム全体を理解した上でAI/機械学習に特化し、データパイプライン構築から推論APIの実装まで一貫して対応できる人材を目指すといったキャリアです。
フルスタックエンジニアとしての幅広い知識と経験を活用して、より市場価値が高いエンジニアを目指しましょう。
幅広い知識を活かして大企業へ転職する
技術的な幅広い知識と俯瞰力を活かして、テックリードやエンジニアリングマネージャーなど、技術とビジネスの橋渡し役として大企業で活躍するキャリアもあります。
フルスタックエンジニアはシステム全体を理解しているため、各専門チームを統括し、技術的な意思決定を行うテックリードポジションに向いています。
特に35歳以降のキャリアでは、開発中心の業務からマネジメントや技術統括への移行が一般的です。フルスタック経験を持つことで、大企業で活躍する際の大きな強みとなります。
転職エージェントに相談する
フルスタックエンジニアとしてのキャリアに悩んでいる場合は、IT業界専門の転職エージェントに相談してみましょう。フルスタックエンジニアとしての市場価値の評価や、スキルを最大限活かせる転職先を提案してもらいながら、戦略的なキャリア形成を描けるようになります。
もしどのエージェントに相談するかで迷った際は、ITエンジニアに特化したキッカケエージェントにご相談ください。キッカケエージェントでは、「転職でのミスマッチをゼロにする」をコンセプトに、ITエンジニアに特化したキャリアアドバイザーが技術力やキャリア、収入、ライフワークバランスなど様々な観点からアドバイスしております。
無料でご相談いただけますので、キャリアに迷っているフルスタックエンジニアの方は、ぜひ1度お気軽にご相談ください。
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今すぐ無料で相談するまとめ
フルスタックエンジニアは「いらない」と言われる一方で、適切な戦略により充実したキャリアを築くこともできる職種です。
確かに、フルスタックエンジニアには学習コストの高さや責任範囲の広さなど多くの課題があります。しかし、少人数チームで活躍できたり分野横断的な問題解決ができたりと、他職種では得難い強みも豊富に存在します。
フルスタックエンジニアからのキャリアを考えている方は、そうした強みを活かせる場所を探して、転職も検討してみましょう。
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今すぐ無料で相談する参考記事
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