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SIerからコンサルへの転職は難しい?キャリアパスと転職時のポイント

SIerからコンサルへの転職は難しい?キャリアパスと転職時のポイント

2025.09.29

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「SIerでの働き方に限界を感じて、もっと上流の経営課題解決に携わりたい」

「年収をもっと上げたいけれど、コンサルへの転職は本当に可能なのだろうか」

このように、ビジネス寄りのキャリアを築きたいものの、コンサル業界の高い要求水準や激務のイメージに不安を感じているエンジニアは多くいます。

この記事では、「SIerからコンサルへの転職」について解説します。転職するなら知っておきたい「仕事内容や働き方の違い」「転職成功のポイント」も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

そもそもSIerとコンサルは何が違うのか?

そもそもSIerとコンサルは、以下のような違いがあります。転職するにあたって、まずは理解するところから始めましょう。

比較項目SIerコンサル
仕事内容・システム構築が主業務
・要件定義〜設計〜開発〜テスト
・既存システムの保守・運用
・技術的な課題解決に特化
・ITインフラの整備・最適化
・クライアントの業務システム構築
・経営課題解決が主業務
・戦略立案〜実行支援まで
・業務プロセス改善・組織変革
・ビジネス視点での課題解決
・経営層への提案・アドバイス
・デジタル変革(DX)の推進
働き方・長期プロジェクト(6ヶ月〜数年)
・チームでの分業・協業
・決められた工程での作業
・安定したスケジュール
・技術スキル重視
・クライアント先での常駐勤務
・短〜中期プロジェクト(2週間〜6ヶ月)
・個人の責任範囲が広い
・柔軟で創造的なアプローチ
・ハードなスケジュール
・思考力・提案力重視
・クライアント先 + 自社での業務
年収・待遇・年功序列での昇進
・安定したボーナス支給
・充実した福利厚生
・残業代の確実な支給
・成果主義での昇進
・業績連動のボーナス
・高額だが変動リスクあり
・みなし残業制が多い

仕事内容:システム構築か経営課題解決か

SIerの仕事は、顧客の業務効率化を目的としたシステムの要件定義から設計、開発、テスト、運用保守まで、システム構築の全工程を担います。ITシステムの整備・最適化も業務に含まれ、技術的な課題解決に特化した働き方です。

一方、コンサルタントの仕事は、顧客の売上向上やコスト削減といった経営課題の解決が中心になります。現状分析や仮説構築を行い、解決策を提案・実行支援する仕事です。そのためコンサルタントにとって、システム導入は解決策の1つという位置付けになります

働き方:プロジェクト単位か成果単位か

SIerは、定められたシステム開発のプロジェクト期間内に、計画通りにタスクをこなす能力が求められます。プロジェクトの進捗管理が中心となり、チームでの共同作業が不可欠です。場合によってはクライアント先での常駐勤務もあります。

一方のコンサルタントは、顧客の課題解決という成果にコミットします。プロジェクトの途中で課題が変化すれば、柔軟に対応していかなければなりません。個人の責任範囲も広く、SIerと比べてハードなスケジュールになるでしょう

年収・待遇:安定か実力主義か

SIerは、年功序列をベースとした安定した給与体系を持つ企業が多く、長期的なキャリアプランが立てやすいのが特徴です。ボーナスや残業代の支給も安定しており、給与面の不安はあまりありません。

一方のコンサルティングファームは、プロジェクトへの貢献度や個人のスキルアップに応じて年収が大きく変動する実力主義の世界です。個人の成果が報酬に直結するため、非常に高い年収を目指すことも可能ですが、同時に厳しい競争にさらされます

SIerからコンサルへの転職が親和性が高いと言われる理由

SIerからコンサルへの転職が親和性が高いと言われる理由

ITに関する知識を既に持っている

コンサルティングファームでは、デジタル変革を支援するDXコンサルティングの需要が急増しています。SIer出身者は、最新技術からレガシーシステムまで、IT全般に関する深い知識を持っているため、その点でコンサルとの親和性は高いと言えます

また、ITに関する技術を身につけていることから顧客企業のIT部門と円滑にコミュニケーションを取りやすく、現実的な解決策も提案可能です。こうした点は、SIer出身者だからこその強みとなるでしょう。

コミュニケーション能力が身に付いている

SIerでは、要件定義で顧客の要望を引き出したり、開発チーム内外の関係者と連携したりする機会が多くあります。この中で身につくコミュニケーション能力は、コンサルタントとして顧客と対話し、プロジェクトを推進していく上で不可欠なスキルになります

また、SIer時代に培った、複雑な技術内容をわかりやすく説明する能力も有用です。経営層への提案時に、強力な武器として活用できます。

課題発見力やヒアリング力が身に付いている

顧客の漠然とした要望から本当に必要なシステム要件を言語化していくのは、SIerの要件定義で欠かせないプロセスです。この業務を通じて培われる「顧客の潜在的な課題を発見し、本音を引き出すヒアリング能力」は、コンサルタントとして顧客の経営課題を特定する際に大いに役立ちます

また、SIerとして働く中で、表面的な問題の背後にある真の課題を見抜く洞察力を身につけられていれば、より顧客に寄り添った提案ができるでしょう。

クライアントの課題を解決できる能力がある

SIerは、システム導入という形で顧客の課題解決をサポートする仕事です。SIerで得られた経験は、コンサルタントとして課題解決の計画だけでなく、その後の実行まで見据えたリアリティのある提案に繋がります。机上の空論ではない、現場に即した解決策を提案できるでしょう。

また、実装時の制約や予算感も踏まえた実現可能性の高い提案ができる点も、SIerを経験している人材だからこその強みになります。

SIerからコンサルへの転職に向いている人の特徴

SIerからコンサルへの転職に向いている人の特徴

SIerよりもビジネス側に行きたい人

SIerの業務ではなく、ビジネスをどう広げていくかに興味がある人が、コンサルには向いています。SIerとして働く中で、システム構築だけでなく、顧客の事業戦略や業務プロセス改善に興味を持ち始めた場合、コンサルタントとしてのキャリアを検討して良いでしょう。

コンサルタントは単なる技術者としてではなく、経営陣と対等に話し、企業の成長戦略に関わりたいという意欲がある人には最適なキャリアパスです。より上流工程で働きたい方にとって、魅力的な選択肢になります。

とにかくお金を稼ぎたい人

上昇志向が強く、とにかくお金を稼ぎたい人もコンサルへの転職が向いています。SIerとして働き方に限界を感じている場合、お金への関心の高さに応じて検討すると良いでしょう。

SIerと異なり、コンサルティング業界は実力主義です。成果に応じて年収が大幅に上がる可能性があります。とにかくお金を稼ぎたい方には、非常に魅力的な職種です。

ただし、高収入を得るためには相応の努力と結果が求められます。高い年収と引き換えに、プレッシャーに負けない強いメンタルも必要です。

SIerからコンサルへの転職で後悔しないためのポイント

SIerからコンサルへの転職で後悔しないためのポイント

華やかなイメージを抱きすぎない

コンサルタントは企業の経営層と対話する機会が多く華やかな仕事に思えますが、その実態は地道な情報収集やデータ分析、資料作成の連続です。深夜まで作業が続いたり、常に新しい知識をインプットし続ける必要があったりと、決して楽な仕事ではありません。

転職をする際は、高い年収が圧倒的な業務量と責任の重さの裏返しであることを理解しておく必要があります。夢を見すぎず、コンサルのリアルな働き方をイメージしておくようにしましょう。

SIer時代の働き方から意識を変える

SIer時代に染み付いた「仕様書通りの仕事をこなす」という受け身の姿勢や、「言われたことだけをやる」マインドセットは、コンサル業界では通用しません。

コンサルタントは自ら課題を発見し、仮説を立て、積極的にアウトプットしていく仕事です。指示待ちのクセをどれだけ早く捨てられるかが、成功のポイントになります。そのためにも主体的に行動し、提案型の働き方への転換をしていくよう心がけましょう。

コンサルへの転職で得られるメリット・デメリットを理解しておく

転職前に、コンサルタントとして働くことのメリット・デメリットを客観的に整理しておくのも重要です。以下の要素を天秤にかけ、自分にとっての優先順位を明確にすると転職活動を進めやすくなります。

メリットデメリット
・高い年収に期待できる
・多様な業界・課題に関われる
・圧倒的な成長機会がある
・経営層と接点を持てる
・論理的思考力を向上できる
・転職市場での価値が向上する
・激務である
・常に成果を求められる
・専門分野を確立しにくい
・高いストレス環境にある
・ワークライフバランスが悪化する
・離職率が高い

これらを知っておくと、転職活動で迷った際に冷静な判断を下せます。自身のキャリア設計と照らし合わせて、コンサルへの転職を選択肢の1つとして考えるようにしましょう。

SIerからコンサルへの転職を成功させるステップ

SIerからコンサルへの転職を成功させるステップ

Step1:なぜ転職したいのか?自己分析で軸を固める

まず、「なぜコンサルタントになりたいのか」「どのようなキャリアを描きたいのか」など、転職の動機を深く掘り下げていきましょう。単に「年収を上げたい」「上流工程に関わりたい」といった表面的な理由だけでなく、その背景にある本当の理由を言語化しておくと、面接での説得力ある回答につながります

また、5年後・10年後の理想像を明確にし、コンサル転職がそのキャリアプランにどう貢献するかも整理しておきましょう。

Step2:コンサル業界の情報を集める

求人に応募する前に、コンサルティングファームの業界構造やビジネスモデル、各ファームの得意分野や文化をリサーチしておきましょう。戦略系や総合系、IT特化型など、コンサルの種類によって働き方や求められるスキルが大きく異なるためです。

業界レポートやファームのWebサイト、現役コンサルタントのブログなどから情報収集をし、自分に合った転職先を見つけ出しましょう。コンサル業界とひとまとめにすると採用側との認識のズレが発生するため、企業研究は重要です

Step3:自分の市場価値を把握する

次に、これまで培ってきたSIerでの経験やスキルが、コンサル業界でどのように評価されるのかを客観的に把握していきます。自身の強みと弱みを洗い出し、それをコンサルタントとしてどのように活かせるかを具体的に説明できるように準備しましょう

1人だと難しい場合は、転職エージェントに協力を仰ぐのもおすすめです。第三者の視点で、自分の市場価値を客観的に判断してくれます。現在の市場価値を正確に把握できれば、アピールポイントが明確になり、選考通過率も向上するでしょう。

Step4:企業選びと応募書類作成をする

次に、Step1~3を通じて、自身のキャリアプランに合った企業を絞り込んでいきます。応募書類では、SIerでの経験を単に羅列するのではなく、「コンサルタントとして何ができるか」の視点で、論理的に自分の強みをアピールするようにしましょう。

その際、具体的な成果や数値を交えながら、課題解決能力やプロジェクト推進力を強調していくと効果的です

Step5:面接対策と逆質問を準備する

コンサルの面接では、ロジカルシンキングを問われたり、これまでの経験を深掘りされたりと、様々な方向から質問を受けます。そうした際に頭が真っ白にならないよう、入念に練習をしておきましょう。

併せて、入社後のミスマッチを防ぐために、逆質問で不明点を解消するのも重要です。事前に質問を準備しておくのはもちろん、面接の中で新たに疑問が生まれた場合は追加で質問してみてください。こちらに興味を持ってくれているのだ、と好印象に繋がります。

キッカケエージェントでは、「転職でのミスマッチをゼロにする」をコンセプトに、ITエンジニアに特化したキャリアアドバイザーが技術力やキャリア、収入、ライフワークバランスなど様々な観点からアドバイスしております。

今回紹介したStep1~5をワンストップでサポートいたしますので、スムーズな転職活動が可能です。応募書類や面接が苦手な方でも、安心してご利用いただけます。

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SIerからコンサルへ転職する際の注意点

SIerからコンサルへ転職する際の注意点

インプットの多さについていけなくなる可能性がある

コンサルタントは、プロジェクトごとに異なる業界や専門知識を短期間で習得する必要があります。常にアンテナを張り、自律的に学習し続ける意欲が求められます。

これまでの業務とは比べ物にならないほどのインプット量が求められるため、キャッチアップしていく体力と精神力が必要です。業界レポートや専門書籍の読み込み、最新トレンドの把握など、継続的な学習習慣を身につけることが成功のための前提条件となります。

教育・サポートの体制があまりない

コンサル業界では、一人ひとりの丁寧な指導より、現場で仕事を覚えることを求められる傾向にあります。そのため、手取り足取り教えて欲しかったり、ある程度のサポートが欲しかったりすると、苦労するかもしれません。

SIerのような体系的な研修制度には期待せず、自ら積極的に学び、先輩の背中を見て吸収していく主体性が必要です。不明点があれば自分から質問し、能動的に成長していく姿勢を意識しましょう。

SIer時代と比べて残業や仕事量が増える

コンサル業界は顧客の課題解決という成果に対してコミットするため、仕事量や労働時間が多い傾向にあります。そのため、SIer時代よりも長時間労働が常態化する可能性は、十分に考えられます

ワークライフバランスを重視したい人は、勤務時間や仕事量については事前に考慮しておきましょう。プロジェクトの緊急度や期限によっては、深夜作業や休日出勤も発生するため、体力的・精神的な負荷への覚悟が必要です。

所属する企業・クライアント企業からの期待値が高い

中途でコンサルティングファームへ転職する場合、シニアコンサルタントとして入社する場合が多くあります。シニアコンサルタントとは、5名ほどの部下を持ちながらコンサルタントとして一人前になるように指導する立場を指し、新人扱いをされません。

そのため、そもそもコンサルが初めてなのに、部下を育成しながらコンサルとしての成果も出すという、非常に高い期待値が設定される事態が起こります。自分自身が学習しながら、同時にチームマネジメントも行う必要があり、相当な負荷がかかるでしょう

意思決定に使用できる資料作成のスキルが必要になる

SIerでは技術仕様書や設計書が主なアウトプットですが、コンサルでは顧客の意思決定を促すためのプレゼンテーション資料が重要になります。複雑な情報をわかりやすく、論理的にまとめる高い資料作成スキルが必要です

日常的に、見やすいスライド作成やストーリー構成、データの可視化技術など、経営層に響く提案書を作成しなければいけません。一枚の資料が数千万円の意思決定を左右するため、責任も重大です。

職位を上げるように意識して行動しなければならない

コンサルティングファームでは、職位を上げた経験が重要視されます。高い職位で入社しても、昇格しないと仕事ができない人材だと評価される世界です。常に上位職位を目指して成果を出し続ける必要があります

コンサルは、年数を重ねれば自然に昇進していくのでなく、明確な成果と実績を示さなければ昇格できません。キャリアアップに対する強い意識と、継続的な自己投資が不可欠です。停滞は即座に評価低下につながるリスクがある点には注意しましょう。

まとめ

SIerからコンサルへの転職は、適切な準備と覚悟があれば十分実現可能です。ITの知識とプロジェクト経験を武器に、より上流の経営課題解決に携わることで、大幅な年収アップとキャリアアップが期待できます。

しかし、コンサルは激務や高いプレッシャー、継続的な学習が求められる厳しい世界でもあります。転職前には自己分析を徹底し、メリット・デメリットを十分理解した上で決断しましょう。

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